
コカ・コーラボトラーズジャパン(東京)は14日、時間帯や曜日などに応じて価格を変える「ダイナミックプライシング」の自動販売機を、年内に数千台規模で設置すると明らかにした。収益力の強化に向けて5月から試行しており、収益改善効果や消費者の反応などを踏まえ、来年以降の本格導入を検討する。
同社は1都2府35県で約70万台の自販機を展開。5月から遠隔操作で価格変更可能なデジタル表示式の自販機を試験的に設置していた。
ダイナミックプライシング導入で、需要期に価格を引き上げたり、需要が減る夜間には引き下げたりすることが可能になる。同社は価格設定について「いろいろな可能性がある」(広報)としている。
飲料総研(東京)によると、2014年に全国で約247万台稼働していた清涼飲料の自販機は、コンビニエンスストアなどとの競争や人口減少を背景に、22年には215万台に減少。同総研の宮下和浩氏は「近年では人手不足も課題で、自販機の業態は限界に来ている」と指摘する。
このため飲料各社は値上げに加え、補充や修理業務で協業するなど収益力の強化を急いでいる。今後ダイナミックプライシングも選択肢の一つになりそうだ。
時事通信