
日銀が29日発表した2023年末の銀行券発行残高によると、市中に出回ったまま年を越すお札の残高は124兆6080億円(22年末125兆683億円)となり、2009年末以来14年ぶりに減少した。すべて1万円札にして積み上げると高さは1246キロメートルとなり、富士山(3776メートル)の約330倍に相当する。
銀行券の発行残高は個人の財布や会社の金庫などにあるお札の総量。国内では現金志向が根強く、出回るお札は増加基調をたどってきたが、電子マネーやバーコードなどを通じたキャッシュレス決済の広がりを受け、残高が減少に転じた。
コロナ禍からの経済活動再開に伴い、消費者が手元に置いていたお札を使い、それが金融機関を通じて日銀に戻ってきたことも残高減少の一因とみられている。
時事通信