
ロンドン:エジプトのラニア・マシャート国際協力大臣は、気候変動問題への国際的な取り組みの遅さに警告を発した。
マシャート氏は、気候変動に関する議論の機運が高まっていることを認めつつも、政策立案者や民間部門がより迅速に対応する必要性を強調した。
「政策立案者や民間部門などに関しては、私たちはあるべきスピードに達していない。(気候に関する)議論は以前から(行われて)いたが、今はそのスピードが上がってきており、より大きな声になってきている」
スイスで開催された世界経済フォーラムに合わせて開かれたハブ・ダボス2024(The Hub Davos 2024)で発言したマシャート氏は「自然に責任を持つ:方程式のバランスを取り直すべき時」と題されたパネルの席上で、気候変動への投資が経済的に注目を集めていることもあり、変革への動きが加速していると主張した。
氏は、自然に関する問題が経済的な要請となりつつある最近の傾向を強調した。
「経済的な成果や配当のために、誰もが格差を縮めたいと思っている」ジェンダー・ギャップ現象と同様に、「…自然に関する議論もそのような方向に進んでいる」
マシャート氏は、2022年にエジプトで、2023年にドバイで開催された2つのCOPの成果を示し、生物多様性に関してだけでなく経済的にもこの地域に影響を与える問題に対して意識が高まっていることを強調した。
特にサハラ以南のアフリカにおける環境悪化の経済的影響を取り上げながら、同氏は森林破壊、干ばつによる土地の消失、汚染に関連する経済的損失を指摘した。
「観光業に依存している国であれば、サンゴ礁がなくなれば、多くの雇用が失われ、経済が大きな打撃を受ける。その回復のために投じる必要のある金額の大きさについては言うまでもない」
マシャート氏は、これらの課題に対処するために取ることのできる行動について議論しながら、意識の向上、自然の損失の定量化、自然保護のための政策の強化、多国間開発機関との連携強化の必要性を強調した。
同氏は革新的な解決策を提案して、各国が「結果を出し、かつ役立つ」レベルで自然保護に投資するよう提唱した。
マシャート大臣はまた、「レジリエンス・クレジット」という概念も提唱した。これは、温室効果ガスの排出を削減するための行動をとる企業に対して、買い手が代金を支払うカーボン・クレジットのような金融商品である。
大臣は、このアイデアはエジプト政府によって検討されており、チームとともに「私たちは、これらの(気候関連)投資や資産を保護するために、どのように収益化できるかを検討している」と述べた。