
財務省は9日、国債や借入金、政府短期証券の残高を合計したいわゆる「国の借金」が2023年末時点で、過去最大の1286兆4520億円になったと発表した。高齢化に伴う社会保障費の増大などを税収で賄えず、借金頼みの厳しい財政運営が続いている。
借金の合計額は23年9月末比で10兆8404億円増加した。内訳を見ると、政府系金融機関などへの貸し付け原資となる財投債や政府短期証券は減少したものの、普通国債が1043兆7786億円と同16兆3657億円増えた。
通常国会で審議中の24年度予算案では、新規国債発行額が35兆4490億円と歳入の3割以上を占める。前年度当初より新規発行額は減ったが、国債の償還や利払いに充てる国債費が財政を圧迫する構図は変わらない。
日銀は金融政策修正にかじを切り始め、今春には長年続いたマイナス金利政策の解除も視野に入れる。金利が上昇すれば、利払い費の負担はさらに増す。「金利のある世界」が現実味を増す中、財政再建は待ったなしの課題となりそうだ。
時事通信