アミン・アッバス

ありがひとし氏は『ロックマン』、『THE ビッグオー』、『ようかいとりものちょう さらわれたのっぺらぼう』など様々な連載漫画を手がけた漫画家・ゲームイラストレーターだ。また、いくつかのポケモンのゲームのキャラクターデザイナーとしても活躍してきた。

アラブニュース日本版の独占インタビューで、ありが氏はゲームにのめりこんだきっかけを「学生時代によく一緒にゲームセンターに行っていた古い友人がゲームのイラストレーターの仕事の面接を受けられるよう口をきいてくれたこと」がきっかけだったと語った。

ありが氏がよくプレーするゲームは「アクションや格闘ゲーム」、それにRPGやシミュレーションゲーム、シューティングゲームだという。

「日本文化自体は私の内に自然にあるものなので普段はあまり意識することはないが、日本人の道徳観やマナーは好きだ」と、ありが氏はきっぱりとした口調で言った。

イラストレーターとしてのキャリアを確立するまでのことを、ありが氏はこう語る。「高校生の頃、イラストをまとめたファイルを出版社に持って行って編集者に見せてアドバイスをもらうということをしていた。何度かそれを続けるうちに、仕事の依頼がくるようになった」

「比較的短い期間にかなりの数の出版社で仕事をしたので、イラストを納品してから商品が発売されるまでどのくらいかかったか正確には覚えていないが、エニックスの出版部門から発売されたドラゴンクエスト4のガイドブックが一番古いものだと思う」と、彼は続けた。

ありが氏は、また、双葉社のゲームのガイドブックや角川のファミコン雑誌の新製品紹介ページのイラストも手がけた。

プロジェクト進行中に直面した困難な状況について訊ねられると、ありが氏は、「いくつかあったが、短い締切で多くの作業を要求される仕事はいつでも大変だ」と語った。

ゲームや漫画のイラストを描く仕事について、ありが氏はこう説明する。「チームで作業を分担することがあるのだけれど、プロジェクトのリーダーを任された時は、他の人の絵をチェックするのに忙しくて自分の絵を描く時間が少なくなってしまったことがよくあった」。だが、今ではありが氏は当時よりもだいぶ小さいチームで仕事をするようになったという。

中東地域についての意見を求められると、ありが氏はクウェートのゲームのイベントに招待され、二度訪れたと語った。

「イベントにはクウェート周辺の国々の人たちも参加していた。出会った人たちはみんな親切で礼儀正しく、素晴らしい時間を過ごせた。もうひとつ印象に残っているのは、食べ物がとても美味しかったことだ」

今後のプロジェクトについては、「公に話せるプロジェクトだと、一つは現在制作進行中の『ようかいとりものちょう』という絵本がある。これは妖怪を題材にしていて、漫画形式で描かれている」

ゲームのイラストレーターや漫画家を目指す人へのアドバイスとして、ありが氏は「イラストやゲームなどエンターテインメントに関わる仕事は楽しくてわくわくする。幅広い分野に興味を持ち、心をオープンにしておくこと。そして、様々なことを楽しめるようにしておくことだ」と話した。

また、未知の体験に興味を持つこと、好奇心を養い、楽しむことを奨励した。