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サウジアラムコの「苦難」の年の収益は882億ドル

先月、アラムコは、東部州のアル=ジャフラ油田に1,100億ドルの長期投資をすることを発表した。国内発電用の燃料油からの撤退戦略のさらなる一手である。 (AFP)
先月、アラムコは、東部州のアル=ジャフラ油田に1,100億ドルの長期投資をすることを発表した。国内発電用の燃料油からの撤退戦略のさらなる一手である。 (AFP)
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16 Mar 2020 12:03:28 GMT9
16 Mar 2020 12:03:28 GMT9

フランク・ケイン

ドバイ---- 「例外的」と言われた年に、サウジアラムコは世界で最も収益をあげた石油会社としての地位を確固たるものとした。純利益は882億ドルで、高配当となり、負債額は抑えられている。

日曜日に、サウジアラムコが上場しているリヤドのタダウル証券取引所に対し、「困難なマクロ経済環境」にもかかわらず、結果は得られたとの発表があった。この一年、サウジアラムコは、施設への攻撃、原油価格の下落および産出量の減少、精製及び石油化学の産業における厳しいマージンに左右されてきた。

アラムコはまた、去年、初めて国際市場での債券発行を成功させた。大幅な超過応募で120億ドルを調達し、12月に記録的な新規株式公開 (IPO) を果たして、史上最高の時価総額を持つ企業となった。

アミーン・ナーセル社長兼CEOは次のように述べた---- 「2019年はサウジアラムコにとって例外的な年でした。予定していたことも、していなかったこともありましたが、様々な状況下で、当社の敏捷性と回復力への先例のない洞察を世界に提供することになりました。」

「当社の、他に類を見ない規模、コストの低さ、回復力が力を発揮し、世界屈指の信頼に足るエネルギー会社という地位を維持しつつ、成長と世界有数のリターンの両方をもたらしました。」

[caption id="attachment_11388" align="alignnone" width="800"] サウジアラムコのアミーン・H・ナーセル社長兼CEOは、世界的な大手石油会社にとって2019年は例外的な年だったと説明した。 (ロイター)[/caption]

会計期間はコロナウィルスとOPEC+石油生産協定の終了の大きな影響を受ける前に終了した。

ナーセル氏は次のように話した---- 「最近のCOVID-19のアウトブレークとその急速な拡大は、変化し続ける世界情勢における敏捷性と適応能力の重要性を示しています。これはサウジアラムコの戦略の中核をなすものであり、当社は業務と財政の強みを確実に維持していきます。現に、当社は既に、計画済みの2020年資本投資の合理化対策を講じています。」

年間純利益は、2018年が1111億ドルだったのに対し、2019年は882億ドルだった。決算書の報告によれば、利益減少の主な理由は原油価格および生産量の低下であり、精製と石油化学のマージンの下降や関連会社のサダラ・ケミカル・カンパニーに関係する16億ドルの負担と連動している。

利益の減少にもかかわらず、アラムコは依然として、Apple、Alphabet(Googleの持株会社)、アジアの大手銀行などを凌ぎ、世界で最も収益性の高い企業である。

フリーキャッシュフロー(営業費と投資額を計上後に企業が手にする現金の総額)は783億ドルとなり、配当総額は732億ドルで、そのうちの39億ドルは去年の12月のIPOで株を購入した一般投資家に支払われることになる。

アラムコは2020年の配当で750億ドルを支払うことになっている。2019年のキャペックスは328億ドルで、前年よりも上昇している。

「現在の市況と最近の物価の変動に鑑みて、当社は2020年のキャペックスを250億ドルから300億ドルの間で予想しています。」

「2021年以降のキャペックスについては、現在、評価作業を進めています。当社の上流コストの低さと維持資本の低さが、大きな柔軟性をもたらし、他の同業者との違いを明らかにしています」とアラムコは話した。

先月、アラムコは、東部州のアル=ジャフラ油田に1,100億ドルの長期投資をすることを発表した。国内発電用の燃料油から、また、最終的にはガスの輸出から撤退する戦略のさらなる一手である。2024年までに第一局面への発展が予想されている。

アラムコはまた、2019年に、石油化学製造会社SABICの株式を690億ドルで買い取ることで公的投資ファンドと合意に達している。買い取りの完了は2020年上半期であることが想定されている。 これによりアラムコは、世界有数の大規模石油化学事業を担うことになる。

「9月の二つの施設への攻撃後に、当社は、緊急時の訓練と手続きによって、11日間で製造レベルを復旧しました。結果として、当社は、信頼に関わる長期的な名声を現実のものとして示しました」とアラムコは話した。

同社は、高い環境基準に取り組んでおり、二酸化炭素排出原単位を世界最小レベルに抑えた製品の製造に成功している。

ナーセルは次のように述べた——「世界が、さらなるエネルギーの需要に応えつつ、よりクリーンなエネルギーを求める声に対応するという、難しい二重の課題に直面している中、当社の製品の二酸化炭素排出原単位が世界最小レベルであることで、当社はよい状況にあると私は信じています。」

既に利用可能な価格および生産高のデータを前提にして、財務業績はエネルギーアナリストの期待値の範囲内だった。その数値については、アラムコの役員とアナリストの間でオンライン電話会議で議論される予定だ。

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