自動車、電機など五つの産業別労働組合で組織する金属労協(3062労組)が2日発表した2024年春闘の中間集計によると、基本給を底上げするベースアップ(ベア)の獲得額は、3月末時点の中間集計で平均9593円となった。物価高や人手不足が賃上げを後押しし、比較可能な14年以降で最高だった前年同時期の5647円を上回った。ただ、大手と中小の格差は4370円と、前年同時期の1818円から拡大した。
金属労協が東京都内で開いた記者会見で、金子晃浩議長は多くの労組が高水準の回答を得られたことを挙げ、「総論としては満点と言ってもいい」と述べた。金属労協傘下で中小企業の労組が多い「ものづくり産業労働組合(JAM)」の安河内賢弘会長も都内で会見し「容認できないレベルまで格差が開いてしまった」と指摘し、価格転嫁を取引先に要請しにくい下請けがしわ寄せを受ける商習慣の見直しが必要だと訴えた。
中間集計によると、金属労協傘下でベアを要求した2268労組のうち、1077労組が経営側からベア実施の回答を得た。規模別の回答額の平均は、大手(組合員1000人以上)が1万2389円、中堅(同300~999人)が1万1000円、中小(同299人以下)が8019円。
産別ごとの回答額は、自動車総連が322労組の平均で8474円、電機連合が61労組で1万1912円、基幹労連が123労組で1万7243円、全電線が33労組で1万1487円、JAMが538労組で8135円。
JIJI Press