リーム・ワリド

リヤド：サウジアラビアの文化的景観は、エンターテインメント・セクターの大幅な拡大とともに豊かになりつつある。

野心的なサウジ・ビジョン2030は、経済の多様化とグローバルな関与の拡大に努めており、この広範な文化的変革の原動力となっている。

エンターテインメント部門の推進を目指す王国のイニシアチブの代表的な例として、キディヤ・ギガ・プロジェクトがある。

サルマン・ビン・アブドルアジーズ国王の指導のもと2018年に発足したキディヤは、エンターテインメント、スポーツ、文化の新興資本であり、観光客や住民の生活の質を高める遊びの力に基づく目的地、プログラム、イニシアチブを構築することを目指している。

王国のエンターテインメント部門を推進するキディヤ（Qiddiya）の役割

キディヤは、王国にいくつかある大規模なエンターテインメント・プロジェクトのひとつに過ぎないが、「エンターテインメント、スポーツ、芸術の首都」と呼ばれるように、この分野の要のひとつとしての重要性を疑う余地はない。

カナダのAtkinsRéalis社は、このプロジェクトのデザインコンサルタントのリーダーであり、同社のクリエイティブ、テーマ、ショーデザイン担当グローバルディレクターのブラッドリー・カルク氏は、アラブニュースに対し、キディヤのビジョンを次のように語っている。

「過去25年間、世界のエンターテインメント業界で働いてきて、私たちは皆同じだと学びました。誰もが楽しみたいと思っています。シックス・フラッグス・キディヤ・シティのような革新的なテーマパークで、私たちは思いもよらない体験ができるのです」

カルク氏は、このアトラクションには「世界で最も高く、長く、速い乗り物」があると付け加え、「私たちは、オリジナル楽曲を盛り込むことで、ストーリーをさらにサポートします」と語った。

法律事務所リード・スミスのエンターテインメント＆メディア・インダストリー・グループのパートナーであるセクター専門家のジェイミー・ライダー氏は、アラブニュースに対し、キディヤには膨大な “破壊的可能性 “があると語った。

彼は「キディヤの破壊的な可能性については、開発の規模を考えればすぐにわかります。 完成すれば、キディヤには60万人以上の住民が住み、年間4,800万人の来訪を見込んでいます」と述べる。

ライダー氏は続けて「 具体的で革新的なもの、例えばドラゴンボールのテーマパークは世界初のアトラクションです。それに加え、開発全体を通して “遊び “に焦点を当て、最先端の会場で大規模なスポーツやエンターテインメントのイベントを開催できることは、キディヤの破壊的な可能性が重要であることを意味します」と語った。

キディヤが地元または国際的な団体と築いたパートナーシップ

これまでに発表された協力関係やパートナーシップのうち、ビジョン2030のさまざまな要素との整合性がすぐにわかるだけでなく、サウジアラビアの社会が若く、つながりと活気に満ちているという事実を反映している。

ライダー氏は、日本の人気アニメシリーズをベースにしたドラゴンボールのテーマパークが、王国内外の若者に直接アピールするものだと強調した。

「アニメはKSAで絶大な人気を誇り、サウジアラビアは世界最大のアニメ視聴者数を誇ると報告されています。またUAEはアニメ視聴者の世界ランキングで2位であり、これは地域全体から観光客を誘致する人気アトラクションになることを約束するものです」

ライダー氏はまた、シックス・フラッグスのテーマパークがアメリカ大陸以外で初めてサウジアラビアの若者と観光客の両方にアピールしていることを挙げた。

彼は、キディヤの王冠の宝石の一つは、デザインが発表されたときにモーターレースの世界で大きな注目を集めたスピードパークトラックであると述べた。このアトラクションは、この地域でのF1人気が高まる中で生まれた。

「これに最先端の複合施設であるプリンス・ムハンマド・ビン・サルマン・スタジアムや、ゲームやEスポーツに特化した地区が加われば、キディヤが地元の人々や観光客に世界クラスのアトラクションや体験を提供することは明らかです」と彼は述べた。

世界クラスのエンターテインメント体験を開発するというサウジのビジョンを支える企業の役割

サウジアラビアが、50年以上の歴史を持つ大規模なエンタメパークの基準に則って、トップクラスのアトラクションや世界クラスのエンターテインメント施設を開発するというビジョンを持っていることは、業界のいくつかの企業も認識している。

AtkinsRéalisの観点からカルク氏は、同社の多分野にまたがるチームがゲストの期待を理解し、その期待を上回るよう取り組んでいることを強調した。

「私たちはひとつのチームとして働いていますが、コンセプトを現実のものにするために何百人ものスタッフがいます」

「”最高だった、また行きたい “という言葉を聞いたとき、私たちは正しいことをしたと実感します。私たちのデザインしたテーマパークを後にするゲストが、畏敬の念を抱き、また来たいと願う姿を目の当たりにすることほど素晴らしいことはありません。私たちは、このような反応をこれからもたくさん聞くことになるでしょう」とカルク氏は付け加えた。

彼は、このプロジェクトに携わることへの誇りを強調し、次のように語った： 「サウジアラビアのビジョン2030に対する我々のコミットメントは揺るぎないものであり、比類ない楽しみの創造に貢献するキディヤとのパートナーシップを大切にしています」

キディヤとサウジ・ビジョン2030の整合性

キディヤがサウジアラビアの2030年ビジョンに大きな役割を果たしていることは間違いない。

経済の多様化がビジョン2030の中核をなす一方で、2016年に初めてビジョン2030が発表された際には、王国の文化とエンターテインメントの振興が重要な目標の1つとして盛り込まれた。

活力ある社会、繁栄する経済、野心的な国家は、ビジョンの3つの重要な柱です。

リード・スミス社の視点から、ライダー氏はこう語る： 「このように、キディヤの役割は経済の多様化だけでなく、KSAの多くのプロジェクトと同様に、サウジアラビア国民と観光客の生活の質を高めることであり、生活の質はビジョン2023の主要なビジョン実現プログラムのひとつでもあります」

彼はさらに、「クオリティ・オブ・ライフVRPは、サウジアラビアを世界的に有名なスポーツとエンターテイメントの場所、そして世界的な観光のホットスポットに変えることを目的として2018年に開始され、キディヤがこのプログラムの重要な要素であることは疑う余地がありません。」と付け加えた。

AtkinsRéalis社の観点からは、カルク氏はキディヤ・シティが「最高の遊び場」になると信じている： 「この地域には珍しく、誰もが楽しめるものがあります。開発全体にわたる複雑で多様な体験は、本当に驚くべきものであり、世界中の将来の開発の先例となるでしょう」

さらにこう続けた： 「今日、エンターテインメントは数十億ドル規模の産業であり、キディヤは人々の夢の実現に大きな役割を果たすでしょう。AtkinsRéalisは、この画期的なプロジェクトに携わることができ、幸運に思っています」