
ロンドン:レバノンの国外債権者と国内債権者は、国の壊滅的な金融危機への取り組みに関する計画案に関し対立している。
レバノンの300億ドルを超えるユーロ債の国外保有者の一部は、この提案を広く支持しています。この提案は、レバノンが今後5年間で100億〜150億ドルの外部資金を必要とすると推定し、国際通貨基金(IMF)の財政支援を求めるための青写真としての機能を果たすことができると話す。
しかし、投資銀行フーリハン・ローキー(レバノン銀行協会<ABL>のアドバイザー)から、投資銀行ラザード(レバノン政府のアドバイザー)への書簡には、銀行システムへの影響と預金者に負担を課す提案に対しての懸念が表明された。
ロイターの確認によると、書簡には、「レバノンの商業銀行はユーロ債の保有者の単一的に最大の地盤である。これは銀行業分野の健全性の保護と、さらに重要なのは預金者の預金を保護しながら、重い債務負担が処理されることを保証する確かな再編計画が策定するために、政府と国全体の利益のために使用されるべきである。」と書かれていた。
未だ内閣によって議論されているこの計画は、先月レバノンが多額の外貨債務の債務不履行に陥ったことを受けて立案された。新型コロナウイルスによるロックダウンは、弱い通貨と貯蓄者のドル預金へのアクセスを拒否する資本規制を含めた経済問題をさらに悪化させた。
財務省顧問は、政府が様々な利害関係者と会合を持っているため、修正が必要であると、木曜日の政府により経済計画に関するメディアへの会見で述べた。
銀行業分野の損失832億ドルなどの額は、債券保有者との交渉の中で外国および国内の債務保有者による割引が判断され、変化する可能性がる。
アドバイザー、アルアイン・ビファニは、この計画は政府が必ずしもIMFのプログラムに頼ることを意味するものではなかったと述べたが、損失や為替レートなどの目標は強力な出発点となり、基金の要件とほぼ一致していた。
提案の中で、より多くの議論の的となっていることは、「大規模預金者からの一時的で例外的な寄与」への言及である。
レバノン議会議長のナビーフ・ビッリーは今週、人々の銀行預金は「神聖」であり触れてはならないと述べた。
フーリハン・ローキーからの書簡には「この問題のいかなる部分に対しても、直接的に責任を負うこと国民に求める前に、これまでの行政支出と財政の完全かつ独立した審査を準備し、公表しなければならない」と書かれ、さらにIMFからの外部資金供給が必要であるとの見解にABLが合意したと記されていた。
ストーン・ハーバー・インベストメント・パートナーのポートフォリオマネージャーであるシュテファン・ライホールド氏は、この計画を「深刻な青写真」と評した。
「このような計画があれば、IMFの支援を受けることができる」と彼は言った。 「借金を持続可能な軌道に乗せ、すべての主要機関を再構築し、銀行のすべての資本を一掃し、柔軟な為替レートを導入し、電力会社を改革する。これが、IMFの想定される要件リストにあるすべてだ」。
レバノンの債券はここ数週間でドルに対して約15〜19セント下落しており、世界市場の混乱により、債権者の価値回復の見通しはさらに不透明になっている。
「私たちは25〜30セントの回復がユーロ債の良い概算値と考えていたが、この文書を額面通りに受け止め、改革プログラム概要の実施に真剣に取り組むと仮定すると、回復値はそれよりも高いと見込んでいる。」と、述べた。レバノン債権をアンダーウエートで保有する、バンガード新興国市場債券の代表者ニック・アイシンガー氏は言う。
ライホールド氏は、計画からの推定に基づくと、政府はユーロ債と国内債務の元本に対して、彼が予想していたおおよその値であるおよそ75%のヘアカットを検討しているようだと述べた。
Reuters