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今年の湾岸諸国経済は回復すると見られているものの、伸び率縮小が予測される国も

調査の中で成長率予測の中央値が上方修正されたUAEのザ・ドバイ・モールの外を歩く人々。 (ロイター通信)
調査の中で成長率予測の中央値が上方修正されたUAEのザ・ドバイ・モールの外を歩く人々。 (ロイター通信)
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22 Apr 2021 08:04:09 GMT9
22 Apr 2021 08:04:09 GMT9
  • 半数の国々では、前回の予想よりも伸びない見込み
  • バーレーンの予測は引き上げられ、成長をリードする予想

ドバイ:湾岸協力会議加盟6カ国の経済は今年、成長に戻ると予想されているものの、半数の国々では前回の予想よりも伸びないと見られていることが、ロイター通信の四半期ごとの調査で明らかとなった。

4月8日から20日にかけて行われた調査では、エコノミストらは、新型コロナウイルスのパンデミックで打撃を受けた後の石油資源の豊富な地域全体の経済状況に、著しい改善が見られるだろうと予想している。

しかし、2021年の成長率予測の中央値は、バーレーンに関しては上方修正、アラブ首長国連邦では比較的程度は少ないものの引き上げ、サウジアラビア、クウェート、オマーンについては伸びは縮小、一方のカタールの見通しは変更されなかった。

中東最大規模のサウジアラビア経済は、今年2.4%の成長となり、3ヶ月前に行われた同様の調査の予測の2.8%を下回るとエコノミストらは予測している。2022年と2023年の経済成長率は、前回調査ではそれぞれ3.2%、3.1%であったのに対し、3.3%と3.0%になると見られている。

王国は、経済を石油依存から切り離し、雇用を創出し、投資を拡大させることを目的とした「ビジョン2030」と呼ばれる野心的な経済開発計画の真っ只中にある。

「必要な改革の実施には一定の進展があったが、官僚主義、透明性の欠如、効率の悪さは、民間部門の持続的かつ急速な成長を達成する上で、依然として大きな障害となっている」と、国際金融協会(IIF)が報告書の中で述べた。

UAEの今年の経済成長率は、3ヶ月前の予想の2.2%からわずかに上昇し、2.3%になると見られている。2022年の成長率は3.6%、2023年の成長率は3.3%と、1月の予測の3.5%と3%から上昇すると予想されている。

「UAEは、余剰生産力と原油価格の回復を考慮すると、2021年に適度な拡大を伴う財政政策を取る余裕がある」と、IIFは語った。

「原油価格の上昇と経済の回復が相まって、流動性の状況と民間部門の資金需要が改善されることで、銀行部門を下支えすることになるだろう」。

カタールの2021年の経済成長率の予測は、前回調査と変わらず2.8%だったが、来年については3.5%から3.6%へとじり高になった。2023年の成長率予測3.1%は、2022年後半のFIFAワールドカップ開催による後押しが見込まれ、前回調査から1ポイント上昇した。

一方、クウェートに関しては、流動性危機の可能性に直面しているため、エコノミストらは今年の成長率を前回の2.2%から1.8%に下方修正した。しかし、来年の成長率は3.5%と、1月時点の予想の2.7%を優に上回り、2023年の予測は3.0%に対して2.9%となった。

オマーンの経済成長率は、前回調査の2.1%、2.7%、2.5%と比較して、今年が1.9%、来年が3.2%、2023年が2.4%と予想されている。

バーレーンの経済成長率は、前回調査の2.5%と比較して、今年は2.9%と最も上昇し、来年も前回の予測通り、このペースを維持すると見られている。2023年の経済成長率は、前回の2%から2.7%に上昇すると予測されている。

(ロイター通信の世界経済に関する調査のその他の記事はこちら: )
(調査:Md・マンゼール・フセイン、執筆:ユセフ・サバ、編集:キルステン・ドノバン)

ロイター通信

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