
フランク・ケイン
ドバイ:国際通貨基金(IMF)は火曜日、世界経済は1930 年代の大恐慌以来、最悪の危機に直面していると警告した。
COVID-19 のパンデミックは世界中の広範な地域において経済活動を停止させ、経済は今年で 3%縮小すると予想されている。「この危機は他に類を見ないものです」と、IMFの経済顧問であるギータ・ゴピナス氏は述べた。
「今年の世界経済は、10年前の金融危機の時の状況よりさらに悪い、大恐慌以来の最悪の不況に陥る可能性が高いです。今回の大規模なロックダウンにより、世界の成長は劇的に縮小すると予測されています」
パンデミックが2020年後半に収束し、経済生活が通常に近づけば、来年の成長率は5.8%に達する可能性がある。だがIMFは早急な回復の予測は控えるべきであるとしている。「予測の正しさ、パンデミックそのものの推移、マクロ経済への影響やそれによって生じる金融・商品市場への圧力など、かなりの不確実性が残っています。成長率がさらに悪化する可能性もあります。そうなる確率が高いかもしれません」とIMFは述べている。
しかし、金融市場はこの嵐にも動じることなく対応しているようだ。IMFの報告書が発表された日、ウォール街の健全性を示す主要な指標であるS&P500指数は2.5%上昇した。
一部の専門家は、世界の株式市場が好転したことは、パンデミックの金融面での悪影響はすでに峠を越えたことを意味すると考えている。パンデミックによる死亡者数が増加しているにもかかわらず、世界最大手の銀行の一つであるゴールドマン・サックスは、米国政府が2兆ドルの景気刺激策を実施したことを受け、これ以上の株の下落は予想されないと述べた。
他の専門家はこれに反対している。「割引された株価を逃すまいと投資家たちがこぞって市場に復帰していますが、これは経済学者や医療関係者の慎重な姿勢とは全く対照的です」と、日本の野村銀行の中東資産運用事業の最高経営責任者であるタレク・ファドララ氏は、アラブ・ニュースに語った。
IMFによれば、最大の落ち込みが予測されるのはウイルスによって甚大な被害を受けたイタリアで、9.1%の落ち込みが予測された。米国は今年は5.9%減と予測される。中国は1.2%増と予測されているが、これでも数十年間で最も低い成長率だ。
中東・中央アジアは2.8%減と予想され、サウジアラビアは2.3%減と予想された。この地域に関するIMFの詳細な報告は水曜日に発表される予定である。
世界の石油市場では、今週のOPEC+による減産に向けた歴史的な合意にもかかわらず、ブレント原油は6.8%下落して30ドルを割り込んだ。
IMFは、各国政府は国内の家計や事業を支援する政策を実施し、今回の危機の最悪な局面を乗り切ることができるようにするべきだとした。また、世界の最貧国のうち25カ国の債務返済を停止する計画も発表した。