
日本の代表的な株価指数である日経平均の終値は、前日に月間最高値を記録した後の水曜日、景気後退への懸念が強まり割安株が売られたため、反落した。
投資家は依然として医療関連などのディフェンシブ銘柄を好んでおり、比較的低成長が予想される銀行や海運、鉄鋼などの景気循環株の多くは低調な取引となった。
日経平均株価は、火曜日の3.13%の上昇を受けた利益確定売りで0.45%下げ19,550.09円となった。
日経平均はこの第1四半期に新型コロナウイルスの影響により約40%と大幅に下げた後、一部投資家は利益確定を狙っているものの、50%の回復となる20,250円が次のターゲットと見られている。より多くの銘柄からなるTopixの終値はほぼ変わらずの1,434.07円で、上昇幅は0.04ポイントだったが、騰落レシオは74から26となった。
「生物科学や半導体関連、さらにクラウドサービスなどの銘柄のいくつかには勢いがあります。でも、景気動向はしばらく悪化すると見られており、割安株を中心に低調な売買が続くでしょう。」とみずほ証券チーフストラテジストの倉持靖彦は語った。
投資家は現在の経済状況下でも成長の見込めそうな銘柄を厳しく選考し始めており、成長株と割安株の差は急激に開いている。
Topixグロース指数が0.79%上昇した一方、Topixバリュー指数は0.79%の下落となった。
割安銘柄のうち、銀行株は2.4%の下落となった。三菱UFJフィナンシャルグループは2.6%下落する一方、住友三井フィナンシャルグループは2.1%を失った。みずほフィナンシャルグループは2.8%の下落だった。
証券会社関連の株価も2.8%の下落となり、野村ホールディングズは2.3%下げている。
鉄鋼は2.6%の下落で、業界最大手のJFEホールディングスは3.7%の下落。海運は3.7%下げた。
業績予想の修正を発表した会社の内、Gunosy(グノシー)は9.9%の下落となった。このインターネットメディア・広告のスタートアップは直前に、この5月期の年間収益予想を約18%下方修正している。
UUUM (うーむ)は8.1%の下落。これは、ユーチューバーやインフルエンサーのマネージメントを業とするこの会社が、この5月期の年間業績予想を改定し、最終利益ガイダンスを約半分に下方修正したためだ。
その一方で、大きなダメージを被っている航空関連銘柄は2.0%反発した。
医薬品メーカーは0.9%の上昇、なかでも中外製薬は2.7%上昇し最高値となった。
ドラッグストアのチェーン店を展開するウエルシアホールディングスも4.4%の上昇で最高値を記録。
出来高は過去一週間の最高に迫り、東証一部ので取引された売買代金は2兆5280億円となった。
ロイター