
東京:中国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、その他のパートナーとともに、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を使った国境を越えた決済の実験を開始した。
CBDCはブロックチェーン技術を使って取引を記録する。中国人民銀行によれば、国境を越えた決済を数秒で完了させ、コストを最大50%削減することができるという。
中央銀行は、グローバルな金融インフラにおける相互接続性を促進したいと考えており、この新しい試みは、国境を越えた決済で発生する問題の解決策を見つけることを目的としている。
現在、国際決済はSWIFTメッセージング・プラットフォームを経由した注文に基づいて、いわゆるコルレス銀行を経由して行われている。このプロセスには数日から1週間ほどかかる。
また、国境を越えた支払いは通常ドルで行われるが、CBDCを利用した低コストの送金はドル以外の取引を促進し、中国のドル依存度を下げるのに役立つだろう。
日本、米国、欧州を含む7つの中央銀行も、4月に民間パートナーとのCBDC決済の共同トライアルを発表した。
デジタル人民元が国内で問題に直面しているなかでの新たな試みである。人民銀行(PBOC)によると、6月末時点の人民元取引総額は7兆元(約9920億ドル)に達している。
しかし、中国の利用者は、WeChat PayやAlipayといった民間の人気決済アプリと比較して、デジタル人民元にはほとんどメリットがないと考えている。中国では決済取引の80%以上がキャッシュレスで行われていると考えられている。