
シンガポール:ロイター通信によると、12月の中国の製造業活動が拡大したとのデータを受けて原油価格は上昇したが、主要消費国の需要懸念から2年連続の下落となる見通しだ。
サウジアラビア時間午前8時30分現在、ブレント原油先物は60セント(0.8%)高の1バレル74.59ドルとなっている。米国産ウエスト・テキサス・インターミディエイトは62セント(0.9%)高の1バレル71.61ドルだった。年初来では、ブレントは3.2%の下落、WTIは0.1%の下落となった。
12月の中国の製造業活動は3ヵ月連続で拡大したが、ペースは鈍化していることが、火曜日の公式工場調査で明らかになった。
ロイター通信が先週報じたところによると、中国当局はまた、経済成長を復活させるため、2025年に過去最高の3兆元(約4110億ドル)の特別国債を発行することに合意した。
中国の需要見通しが弱まったことで、OPECも国際エネルギー機関(IEA)も2025年の石油需要見通しを下方修正せざるを得なくなった。
OPECとその同盟国は今月初め、価格下落を背景に2025年4月まで増産を開始する計画を延期した。IEAは、OPEC+の削減が維持されたとしても、2025年には世界の石油供給量が需要を上回ると予想している。
長期的な需要見通しの弱さが価格の重荷となっている一方で、先週約300万バレル減少したと予想される米国産原油在庫の減少が短期的な支援材料となる可能性もある。
ブレントとWTIはともに、12月20日に終了した週の米国産原油在庫が予想以上に減少したことに支えられた。
米連邦準備制度理事会(FRB)は今月初め、インフレ率が高止まりしていることを理由に、利下げ幅を9月の4回から2回に縮小するとの見通しを示した。
金利の低下は一般的に借り入れを促し、成長を促進する。
米国の金利をめぐる期待の変化と、米国と他の経済諸国との金利差の拡大は、ドルを上昇させ、他の通貨を圧迫している。
ドル高は、米国外の消費者にとって石油の購入価格を上昇させ、需要を圧迫する。
市場はまた、ドナルド・トランプ次期大統領の規制緩和、減税、関税引き上げ、入国管理強化などの政策に備え、成長促進とインフレ促進、ひいてはドル高につながると予想している。
ロイター