
コロナウイルスの感染拡大と封じ込め対策により、日本の労働市場が減速したことで、日本の3月の失業率はこの1年間で最高水準にまで上昇し、一方の雇用機会は3年以上ぶりの低水準にまで下落したことが、火曜日、政府のデータで明らかになった。
比較的低い日本の失業率が多くの国々の羨望の的となっている一方、政治的に敏感な数値の上昇は、安倍晋三首相の政権に対して、更なる景気刺激策を実行するよう求めることにつながる可能性がある。季節調整済みの失業率は昨年3月以降では最高水準となる2.5%に上昇したことが、総務省のデータで明らかになり、これは、エコノミストの予想の中央値2.5%と一致することになった。
失業率は12月、2.2%となり、1992年以降最低となった。
有効求人倍率は3月、1.39ポイントにまで下落し、2016年9月以来の低水準となり、予想中央値の1.40ポイントを下回った。総務省の数値で明らかになった。
「雇用状況は4月にはさらに悪化すると見込まれており、これはまだ悪化の序章に過ぎないと思います」と伊藤忠総研チーフエコノミストの武田淳が語った。
「失業率が上昇していることに疑いの余地はありません」と彼は述べた。「4月の求人は急激に減少することになると思います」。
日本の労働市場の状況はアメリカほど深刻ではないものの、同国の失業率は今後数ヶ月の間に4%まで上昇する可能性があると、武田は語った。
「一時的な(失業率の)上昇は不可避だと思います」と彼は述べた。
「有効求人倍率の急激な下落は、1月からの調査方法の変更も反映していると、厚生労働省の当局者がロイター通信に語った。
有効求人倍率は2018年末から昨年年明けにかけて、40年以上ぶりの高水準をつけていた。
最近の一連のデータにより、政府や日銀に対して、国内外の需要の下落が企業収益に打撃を与える中、労働市場がこれ以上悪化するのを防ぐための措置を講じるよう求める圧力が高まることになるだろう。
経済への痛みを和らげるために、日銀は月曜日、企業の資金繰りの逼迫を緩和するための新たな措置を発表し、政府が支出を伸ばすことで需要を刺激しようとする中、借入コストを低く維持するために、上限なく債券を購入することを宣言した。
同中央銀行は、成長見通しも下方修正し、予想インフレは今後3年間2%の目標を大きく下回ることになり、短期的な焦点はコロナウイルス危機との闘いになると示唆した。
先週、コロナウイルスの感染拡大が世界第3位の経済大国の大部分に打撃を与える懸念が高まる中、政府は現金給付を全ての市民に拡大するために、歳出パッケージを過去最高の1.1兆ドルにまで増額した。
このパッケージは、さらなる国債発行により一部が賄われる予定で、既に逼迫している日本の財政にさらに負担をかけることになっている。
ロイター通信