
ワシントン: IMF専務理事のクリスタリナ・ゲオルギエバ氏は木曜日、コロナウイルス感染症の大流行が引き起こした経済問題に対処して、世界の最貧国を支援する、GDPの約20%にあたる日本の支出計画を称賛して、他国もそれぞれの役割を果たすべきだとした。
ゲオルギエバ氏は声明のなかで、米国、中国に続く第三位の経済大国である日本は、IMFの財源および譲許的融資制度への最大拠出国だと述べた。
「日本は自国経済を支援する明確な意志を有するとともに、国際通貨基金の低所得国に対する債務免除の財源および譲許的融資への拠出を通して世界経済の安定をも支援することになる」
IMFは今月、1930年代の大恐慌以来最悪となりそうな景気沈滞のなか、世界経済がパンデミックにより3%縮小することを予想した。
IMFと世界銀行当局者は、パンデミックがもたらす健康問題や経済的問題に対処する財源やインフラを持たない世界の最貧国がパンデミックから特に大きな打撃を受けるだろうと繰り返し警告してきた。
「したがって、この困難なときにあって、最も影響を受けやすい最貧国を支援するために加盟国が協力することが極めて重要だ」とゲオルギエバ氏は声明のなかで述べた。
現在までのところ日本はIMFの通貨である特別引出権で90億SDR近くを貧困削減・成長トラスト(PRGT)に対して拠出(PRGTの全融資額の23%)するとともに、補助金の財源として9億SDR超を拠出していると語った。
「他の加盟国に対し、大災害抑制・救済基金(CCRT)とPRGTの両方への拠出を求める。協力することにより、現在直面している世界規模の問題を乗り越えて、成長と繁栄を取り戻すことに寄与できる」
IMFによれば、加盟国の補助金から資金を得て、CCRTは最初の6か月間で、IMFに対する債務元利未払い金に充てるために、すでに29か国に補助金を提供した。加盟国は、低所得国を支援するためにPRGTに対しても補助金や融資を提供できる。
残念ながら、米国がこれら救済のための動きに加わっていない。
米財務長官のスティーブン・ムニューシン氏は今月、IMFの運営委員会に対して、米国は両方の制度への拠出を検討していると述べたが、その金額や時期についての明言を避けた。
英国、ドイツ、オランダ、シンガポールおよび中国がCCRTに拠出している一方で、日本、フランス、英国、カナダおよびオーストラリアの全部がPRGTに拠出を行っている。
日本は今月、PRGTへの拠出金を現在の36億SDRから2倍にすることを目指すと述べ、最初の18億SDRを直ちに拠出し、他の加盟国が拠出額を増やした時点で残りを拠出するとした。
Reuters