
シンガポール: ドナルド・トランプ米大統領が就任初日に国家エネルギー非常事態宣言を発令し、その供給への影響を市場が注視する中、水曜日の原油相場は小動きとなった。
サウジアラビア時間午前7時20分現在、ブレント原油先物は9セント高の1バレル=79.38ドル、米ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油先物は1セント高の75.84ドルとなっている。
トランプ大統領は、石油・ガス生産を最大化するため、国家エネルギー緊急事態を宣言し、環境保護を後退させ、パリ協定から離脱するなどの抜本的な計画を打ち出した。
IGのマーケット・ストラテジスト、イープ・ジュン・ロン氏は、「市場参加者は、トランプ2.0が原油価格の軌道にもたらす複雑なシグナルを消化しようとしている」
「目先の焦点は、米国の戦略的備蓄を満タンにするという彼の狙いが実現するかどうかだ」
モルガン・スタンレーのアナリストは、トランプ大統領の最新のエネルギー政策が目先の投資に拍車をかけたり、米国の生産量増加に変化をもたらしたりする可能性は低い、とメモに記した。
アナリストたちはまた、バイデン政権がすでに緊急備蓄用の石油を購入していたことから、トランプ大統領が戦略備蓄の補充を約束したことで石油需要に何らかの変化が生じるかどうかについても疑問を呈した。
トランプ大統領の通商政策が不透明なため、投資家も慎重な姿勢を崩さなかった。トランプ大統領は、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を2月1日から課すことを考えていると述べた。
米大統領はまた、同国への石油供給量トップであるベネズエラからの石油購入を「おそらく」停止すると付け加えた。
一方、火曜日には珍しい冬の嵐がアメリカ湾岸を通過し、アメリカの多くの地域が危険な深い凍結に見舞われた。
ノースダコタ州の石油生産量は、極端な寒波とそれに関連する操業上の課題により、日量13万から16万バレル減少すると推定されると、同州のパイプライン当局が火曜日に発表した。
テキサス州では、暴風雨の石油・ガス操業への影響は限定的であり、ガス流の中断は最小限にとどまり、停電はほとんどなく、多くの道路や高速道路が閉鎖されたままであったため、ガソリンの在庫は十分にあった。
ロイター