
東京:日本の政府は、国の財政悪化への懸念を背景に政府債務市場が不安定化する中、年次政策指針において減税から距離を置いている。
金曜日に提出された年次経済財政政策指針の草案では、日本は「減税ではなく」賃金上昇が物価上昇を上回るペースを維持することで、可処分所得の増加を目指すとしている。
この声明は、7月に予定されている参議院選挙を控え、生活費の上昇に直面する有権者をなだめるため、政治家から減税を求める声が高まる中、政府が財政規律を維持する努力を強調するものだ。
野党の立憲民主党と日本立憲民主党は、米中貿易摩擦やインフレによる家計への影響を緩和するため、一定期間、食品の消費税率をゼロにするよう求めている。
日本は、食品に 8%、その他の品目に 10% の消費税を課しており、その収入は主に、急速な高齢化に伴う社会福祉費に充てられている。
連立与党の公明党は金曜日、食品の消費税率引き下げを重要な政策課題として議論すると表明したが、選挙公約には盛り込まないことを決定した。
石破茂首相は追加の景気刺激策を示唆しているが、税制措置の要請にはこれまで抵抗を示してきた。
高所得層に恩恵が集中し、既に疲弊した社会保障予算を圧迫するとの理由からだ。
しかし、石破氏の支持率が30%前後で停滞する中、与党自由民主党内でも税制措置支持の声が上がっている。
これらの声への配慮を示すかのように、政府は政策指針案の策定過程で減税に関する文言を修正し、資金源のない減税措置を批判する部分を削除した。
減税の可能性を巡る議論は、日本の悪化する財政状況への懸念を強め、日本国債(JGB)市場の変動性を高めている。超長期金利は先月、過去最高水準に急上昇した。
予算編成の基礎となる政策指針の草案は、日本が財政健全化に努めつつ、国債の安定的な発行環境を確保する必要性を強調した。
また、需給のバランス崩れによる長期金利のさらなる上昇を回避するため、国債の国内保有促進を推進すべきだと述べた。
一方、政府は、2025年度に達成する予定だった基礎的財政収支の黒字化目標の期限を、案によると「2025年度から2026年度までの可能な限り早期」に事実上先送りした。
基礎的財政収支は、新規国債発行と債務返済費用を除いたもので、債務に頼らずに政策措置を資金調達できる程度を示す重要な指標だ。
日本の公的債務は経済規模の2倍を超え、工業国で最も深刻な水準にある。
ロイター