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壊滅にも動じず ベイルートのスシ・ラウンジ『オオサカ』がつむぐ希望の物語

レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)v
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)v
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
スシ・ラウンジ・オオサカは、レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーにある本格的な日本料理店だ。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
レバノン首都ベイルート・ハムラー地区アル=カンターリーの本格日本食レストラン「スシ・ラウンジ・オオサカ」。8月4日のベイルート大規模爆発を受けて。(提供資料)
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18 Aug 2020 11:08:27 GMT9
18 Aug 2020 11:08:27 GMT9

カルラ・シャフルール

ベイルートはハムラー地区に位置するアル=カンターリーにある本格日本料理店『スシ・ラウンジ・オオサカ』といえば、2006年以来、ベイルート一のバラエティ豊かな寿司を味わえる店であることは疑いを容れない。

『オオサカ』のオーナーを務めるジハード・ミカーティー氏がこのたび、アラブニュース・ジャパンの独占取材を受け、店でどういった料理を提供しているか、今月初めの大規模爆発事故が事業へどのような影を落としたかについて語るとともに、災害に打ちのめされたベイルートでこれから店舗をどのように展開していくのか、思いを披露してくれた。

ミカーティー氏は語る。「14年前に『オオサカ』を創業したのは、レバノン人が日本料理を味わえる選択肢を広げたかったからです。レストランのくつろいだ雰囲気で和食をお客さんには楽しんでもらいたかった。同時に、質と価格に目を光らせていただきながらメニューの拡充に努め、食材の純度と品質に主眼を置くことで一定の基準は確保しています。食材はすべて、日本側から定期的に輸入したものです」

店舗に一歩足を踏み入れると、由緒ある伝統そのままの店の雰囲気が、さながら日本にいるかのように思わせる。これは、着物をまとったウエイターや、抑えた装飾、日本語の飾り文字、おぼろな照明のもとでくつろげるテーブル席のおかげでもある。

メニューは現在の日本の文化を彷彿させるものから古来の日本的伝統にのっとったものまで取り揃える。日本料理ならではの昔ながらの料理や付け合わせといったものもあり、ありとある前菜、スープ、サラダのたぐいが楽しめる。さらには、にぎり寿司に巻き寿司、刺し身、軍艦巻きといったものに加えて各種鉄板焼きや日本の麺類に日本米。中でもとりどりの逸品は海産物頼みとなるが、伊勢エビの焼き物、新鮮サラダを和えたハタのポシェ、銀ダラといったもの。いずれも、ベイルートの和食通をうならせるものだ。

「食材には最も重きを置いています。新型コロナの流行以前はほとんどを日本から週2回直輸入していました。調理の際はシェフが適度の節度を守って当たります。生の魚は満足の行く保管状況でないと摂取が危険なこともありますので、これは欠かせないことです」とミカーティー氏。

オオサカは創業以来、価格と品質面の管理を外部へ委託してきている。そのせいか、その官能に訴える美味でなじみ客が瞬く間に引きも切らなくなっている。

オオサカは今年、サウジアラビアに支店を出すことでブランドの拡大を目指していた。新型コロナウイルスの感染拡大にともない、しかし計画は延期となっている。

「新型コロナでロックダウン中でも、配達に傾注することで事業のほうは成り立っていました。ですが、目下は財政危機とドル不足でかつてない苦境に立たされています。海外の供給元はドル払いを求めるのですが、ドルを得るのはたいへんなのです」とミカーティー氏は言う。

レバノン社会はこの一年、大きな変動をたどり店舗にも重圧となってのしかかっていた。これに追い打ちをかけるように、8月4日にはベイルートを大規模爆発が襲った。178人近い死者と6,000人以上の負傷者を出し、数十万人が家を失ったこの災厄で、オオサカも爆発によって大破した何万という建物と同断の被害を受けた。

 

ミカーティー氏によると、爆心地のベイルート港から3.4kmほど離れたオオサカは、窓という窓が吹き飛ばされたという。ベイルート随一の商業エリアといってよいハムラー地区はふだんならレストランがひしめく喧騒の巷なのだが、ガラスの破片まみれ同然といったていとなったのだという。

ミカーティー氏は当時の店の状況を振り返り、言う。「そこらじゅうがガラスだらけで、店も大破していました」

ベイルートでレストランを営んでいた人たちは今回の惨状で青息吐息だ。政情が不穏だったうえに銀行システムは瓦解、さらに新型コロナの感染拡大といった苦境にさらに加えて、自分の店が損傷したり崩壊したのだから。

「オオサカでは爆発前からすでに顧客が減っていました。ウイルスのせいもありますし、不況のせいもあります。可処分所得が減りますからね。ですのでたいていの人がレストランへ行く回数も手控えるようになります」とミカーティー氏。

さらに同氏は言う。「被害部分の修復はたいへんなことになるでしょう。そもそもレバノンにはガラスが不足しているうえ、修復費用はまずドル払いとなるのにレバノンにはドルが不足していると来ているのですから、なおのこと困難なのです」

オオサカがしかし、できるだけ早期の再開を決意しているのは、レバノンやレバノンの経済界、飲食業界にとっては光だ。

「さいわい、共同経営者と私のほうで店舗の窓を補修するガラスの発注については確保の目処が付いています。またすでに工事にも着手しており、10日ほどで終わるはずです」とミカーティー氏は言う。

「今回の事態の影響は本当に大きかったです。ともかくあっちこっちから打ちのめされていますから。いまでは、復旧すること、それからみながまた事業を元通り順調におこなうことを望んでいます。ベイルートはまたきっと再生しますよ。時間はかかるかもしれませんがね」。最後にミカーティー氏はそう付け加えた。

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