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ハンスト中のパレスチナ人戦闘員がイスラエル拘束下で死亡し、ガザで緊張が高まる

2023年5月2日、約3カ月のハンガーストライキの末にイスラエルの刑務所で死亡した過激派組織「イスラム聖戦」の指導者、ハデル・アドナン氏の写真を手にするパレスチナ人。(AP通信)
2023年5月2日、約3カ月のハンガーストライキの末にイスラエルの刑務所で死亡した過激派組織「イスラム聖戦」の指導者、ハデル・アドナン氏の写真を手にするパレスチナ人。(AP通信)
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03 May 2023 12:05:28 GMT9
03 May 2023 12:05:28 GMT9
  • 5月2日、長期ハンストを行った抗議者(45)が死亡、イスラエル拘束下でのハンストによる死者としては初
  • 行政拘禁者にとって、ハンガーストライキはしばしば最後の手段である。

ハゼム・バロウシャ

パレスチナ自治区、ガザ市: 86日間のハンガーストライキを行っていたパレスチナ人受刑者ハデル・アドナン氏が5月2日、イスラエルの拘束下で死亡。

過激派組織「イスラム聖戦」の指導者であるアドナン氏は、10年以上前から長期のハンガーストライキを始め、イスラエルが罪状や裁判なしにパレスチナ人を大量拘束することに対する新しい形の抗議を導入した。

5月2日、45歳のアドナン氏は長期ハンストによってイスラエル拘束下で死亡した初めての抗議者となった。

イスラエルとパレスチナの衝突が激化する中、行政拘留者の数はこの1年で1,000人以上となり、過去20年間で最多。

行政拘禁者にとって、ハンガーストライキはしばしば最後の手段である。中には数ヶ月に及ぶハンガーストライキを行い、危険な状態に陥った人も少なくない。これまでのイスラエル政府は、拘束死を回避するために彼らの要求の一部を受け入れたこともあった。

今回、アドナン氏の健康状態が悪化しているという警告は無視されたと、イスラエルの擁護団体「人権のための医師団(Physicians for Human Rights Israel)」は述べている。

この団体とアドナン氏の弁護士は、イスラエル当局に対し、彼の状態をしっかりと観察できる病院へ独房から移動させるよう要請したと述べた。同団体によると、数日前に同氏を訪ねた医師は、彼が命の危険にあることを指摘したという。

報復として、パレスチナの諸派は5月2日の朝、ガザ地区からイスラエルの町に向けて少なくとも3発のロケット弾を放ったが、この攻撃に対して声明を出したグループはない。

イスラエル国防軍は、ガザ地区から発射された3発の砲弾を探知したが、砲弾はすべて開けた場所に落下し、防衛システム「アイアンドーム」で迎撃されることはなかったと発表。

イスラム聖戦の事務総長であるジヤド・アルナカラ氏は、次のように述べた: 「シェイク・カーダーは、我々の民族の偉大な象徴であり、世界の自由戦士の象徴であり、エルサレムに向かう我々の行進における高旗であり続けるだろう」

「(我々は)今日、すべての殉教者とシェイク・ハデル・アドナン、そして祝福された殉教者の仲間入りをする者たちに忠誠を表明する 」と付け加えた。

「私たちの土地がシオニストの殺人者や犯罪者から解放されるまで、私たちは聖戦と抵抗の道を離れることはない」とアルナカラ氏は言った。

パレスチナの地元メディアは、ガザ地区のイスラム聖戦の指導者たちが、政治部の会合に出席する計画をキャンセルしたとの情報筋の話を引用した。

情報筋は、包囲された飛び地での紛争の激化と新たな対立への戻行を防ぐために、国内外の様々な関係者が努力を重ねていると付け加えた。

パレスチナのAl-Quds紙が情報筋の話を引用して以下のように報じた: 「イスラム聖戦は、アラブ諸国や国際各国から接触を受け、報復を控えるよう圧力がかかる中、現在も内部で対応策を協議中である。」

アドナン氏は、ヨルダン川西岸地区北部のジェニンのアーラバ出身。行政拘留で12回逮捕され、2012年から5回のハンガーストライキを行った。

カタール在住のハマス政治局長のイスマイル・ハニエ氏は、アドナンの死後、レバノン在住のアル=ナカラ氏に連絡した。

ハニエ氏はその後「これは占領地に対する公然の戦いであり、我々の民衆は24時間体制でこれに立ち向かっている。」と語った。

ガザ地区では、2007年半ばにハマスが支配して以来、イスラエルとの間に数十回の戦闘が発生、その中で最も激しかったのは2021年5月である。

ハマスの政治局員であるフッサム・バドラン氏は、「この極悪非道な犯罪は、アドナンを刑務所で暗殺し、医療面でも放置し、さらに罪状も裁判もなしに何度も行政拘留することで、人道的な意味合いをすべて放棄した忌まわしい占領軍の素顔を示すものである。」と語った。

イスラム聖戦の政治局員であり、政治部門を担当する役人であるムハンマド・アル=ヒンディー氏は「敵はこの犯罪の代償を払うだろうし、我々の捕虜と国民に対する全ての犯罪の代償を払うだろう、神様の思し召しのままに。」と述べた。

イスラム聖戦は、ガザ地区でハマスが参加しない形で2回の紛争の激化を引き起こしている。1度目は、2019年にその軍事指導者の一人であるバハ・アブ・アル・アッタがイスラエルによって暗殺されたことを受けて、2度目は2022年に軍事指導者らの暗殺を受けてのことである。

ガザ市の赤十字国際委員会本部前に集まったパレスチナ人たちは、アドナン氏の死を非難した。

彼らは「ハデル・アドナン、革命家、抗議者、そして殉教者」と書かれたプラカードを掲げた。

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