バンコク:軍事政権下のミャンマーで拘束中だった流通大手イオンの駐在員、笠松洋さん(53)が解放された。外交筋が13日、明らかにした。笠松さんは6月末、コメの販売価格を巡る違反があったとして逮捕され、拘束は1カ月以上に及んでいた。
外交筋は「プライバシーや安全確保の観点から現時点で詳細は控える」としている。軍政の報道官は12日夜、「(笠松さんを)解放した」と述べていた。
ミャンマーの最大都市ヤンゴンの裁判所は12日、軍政が設定した価格より高くコメを販売したとして、生活必需品・サービス法違反の罪で笠松さんに禁錮1年の実刑判決を言い渡した。裁判所は軍政の統制下にある。
2021年のクーデター以降、国軍と抵抗勢力の戦闘が続くミャンマーでは経済が混乱。物価が高騰し、国軍は市民の不満をそらすことを目的として相次いで事業者を摘発している。笠松さんの拘束は、日本企業がミャンマーで事業を行うことのリスクを浮き彫りにした。
時事通信