世界のどの国の成功例を見ても、教育、文化、科学という3つの分野が目に付く。これらの分野での成功は、急速な変化と連続する挑戦に満ちた世界における、繁栄と進歩への道のりの始まりである。この「不可欠な3要素」によって、各国は過去から出発し、現在と調和しながら未来を描き、知識と文化交流の橋を架け、対話と平和を人類文明の必須事項として確立していく。

1945年、戦争とそれが及ぼす人類への壊滅的な影響に疲れ果てた世界は、この3つの分野に注力することの重要性を認識した。サウジアラビアの建国者である故アブドルアジーズ国王は、19人の世界のリーダーたちとともにこれらの分野において前進してきた。というのもサウジアラビアは、国連教育科学文化機関（通称ユネスコ）設立のため、ロンドンに集まった20カ国のうちの1つだったのだ。その歴史的瞬間から、文化、教育、科学は、各国の成功例とその進歩を支える、不変のテーマとなっている。また、これらの分野の振興がもたらす影響は、国家間の問題にとどまらず他国の人々にも及び、世界はより安定し、先進的で豊かな場所となる。

この3つの分野を推進することが、各国をより良い方向へ導くことは、経験上明らかだ。しかしこのような努力は、共通点を共有しながらも、それぞれの社会の性質、伝統、文化に合わせて柔軟に対応できる、強いビジョンに支えられていることが重要である。

私の考えでは、これら3つの主要分野は、持続可能な開発、社会と知識の発展の促進に密接に関連しており、これらが一体となって、経済的、社会的などあらゆるレベルで、国家における生活の質の向上と利益の増進に貢献すると考えている。そのため、サウジアラビア王国は建国者アブドルアジーズ国王の時代から、文化、教育、科学に大きな関心を寄せてきた。 

現在これら3つの分野は、賢明な指導者による大きな勢いとこれまでにない支援を得て、サウジアラビアの野心的な将来ビジョンの主要な要素となっている。ムハンマド·ビン·サルマン皇太子の指導の下、サウジビジョン2030を通じて、これら3つの分野は発展の重要な柱として強調され、特別で質の高いプログラムが割り当てられている。 

皇太子の指示とアラブ連盟教育文化科学機構（ALECSO）の要請により、さらにはより良い明日を共に築くためにこれらの主要分野における国際協力を奨励し、共同行動を促進するというサウジアラビアのコミットメントに沿って、同国は「Together for Impact in the 21st Century（21世紀にインパクトを残す為の協力）」をスローガンとする「未来の教育·科学·文化国際機関フォーラム」を、サウジ国立教育文化科学委員会と協力して開催することになった。

サウジアラビアは建国者であるアブドルアジーズ国王の時代から、文化、教育、科学に大きな関心を寄せてきた。

バドル·ビン·アブドゥラー·ビン·ファルハーン王子

教育、文化、科学を促進するためのあらゆる地域的、国際的な努力を支援することは、世界の繁栄にとって最も重要なことである。努力が結集されれば、協調、ビジョンの共有、戦略的協力によって、私たちの想像を超えたより良い世界に到達することができるのだ。

すべてのステークホルダーの参加により、この種のイベントとしては初めて、教育、文化、科学の発展を支援することができる組織のエコシステム全体の代表者がリヤドに集結する。私たちは、私たちの世代の未来のための強力な基礎となり、より創造性、卓越性、成果を特徴とする世代に理念を届けるために、教育、文化、科学の現実をさらに良くするためのイメージを構築すべく、インパクトある議論への全員の貢献を期待している。

「未来の教育·科学·文化国際機関フォーラム」を通じてサウジアラビアは、これら3つの分野を支持し、対話、戦略的計画、継続的な議論、意見交換の重要性を強調し、世界が発展する中でも平和を保ち、若い世代を教育と科学で鍛え上げ、私たちとその世代が誇りに思う文明の成果を世界と共有することができるようにする。

最後に、私は世界中の組織がこのイベントに参加し、協調的な努力の物語の出発点を作り、人類と世界の未来を築くよう呼びかける。サウジアラビアでは、より大きな発展と明るい明日のために、すべての人に善と平和と愛をもたらす形で、すべての人を結びつけたいと常に考えている。

• バドル·ビン·アブドゥラー·ビン·ファルハーン王子は文化大臣兼、サウジ国立教育文化科学国家委員会の委員長である。