Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • 東京電力の原発、テロ対策に不備と当局指摘

東京電力の原発、テロ対策に不備と当局指摘

2021年3月10日、福島県双葉町沖からの東京電力(TEPCO)福島第一原発の眺め。(AFP)
2021年3月10日、福島県双葉町沖からの東京電力(TEPCO)福島第一原発の眺め。(AFP)
Short Url:
18 Mar 2021 04:03:48 GMT9
18 Mar 2021 04:03:48 GMT9

東京:日本の原子力当局は17日(水)、福島原発事故の背後の電力会社が所有する世界最大の原発にテロ対策上の深刻な不備がみられるため再稼働は見送りとすると発表した。

原子力規制委員会は毎週の定例会合で、柏崎刈羽原発7号機について、原子炉を再稼働させるためのさらなる安全検査他の手続きを当面保留することを決定した。この原発は東京電力が所有している。

原子力規制委員会の更田豊志委員長によると、同原発の複数個所で対テロ措置および核物質保護のための設備に不備が見つかり、少なくとも昨年3月以降はセキュリティ不備の状態が続いていたという。 また更田委員長は、それ以前のセキュリティ対策措置についても調査を進めていると語った。

17日(水)に国会に招致された更田委員長は、柏崎刈羽原発の原子炉再稼働につながるようなプロセスは「少なくとも1年以上は」保留となる、と語った。

原子力規制委員会は、同原発への不正侵入が可能となるほど施設の管理運営状態が劣化していたとして、安全上のリスクについて4段階で最も深刻な「赤」とする暫定評価を下した。

今回の件から、東京電力が2011年の福島の大惨事から何も学んでいないのではないかという疑念の声が上がっている。福島の事故は大地震と津波から引き起こされたが、あれほど甚大な被害規模に発展したのは東京電力の安全文化の欠如による。

評論家は、同原発は海を挟んで北朝鮮に面しているためより高度なセキュリティが必要だと指摘する。

同原発は2007年の地震で一部損傷し、地元自治体の間に不信感が募った。

同原発は2012年から運転を停止している。これまで日本に存在した54基の原子炉のうち、9基が福島事故後の安全基準で再稼働し、うち4基が現在も稼働している。

17日(水)のこの決定は、2017年に6号機・7号が原子力規制委員会の安全基準に合格し、東京電力が再稼働に向けて準備を進めていた中で下されたもの。

東京電力は1月、所員が昨年9月にIDカードを不正使用して立入禁止区域に侵入した問題のほか複数の重要な安全措置の不備について認めた。

同じく17(水)に国会に招致された東京電力の小早川智明社長は、地域の人々に心配をかけたとして謝罪した。

柏崎刈羽原発の2基の原子炉の再稼働は、東京電力が福島原発事故の損害賠償の財政負担を減らす上で極めて重要と考えられている。

AP

特に人気
オススメ

return to top