
リヤド:サウジアラビアの経済は、2025年第1四半期に前年同期比3.4%成長した。これは、非石油部門の堅調な成長に支えられたものだと、公式データが示した。
統計庁が発表した推計によると、季節調整済みの実質国内総生産(GDP)も前期比1.1%増加し、経済の持続的な成長勢いが示された。
非石油部門は成長の主要な牽引役となり、2024年第1四半期比で4.9%増加した。一方、石油関連活動は前年同期比0.5%減少した。これはエネルギー部門の継続的な変動を反映している。
サウジアラビアのGDP成長率は、中東地域全体で経済多角化を着実に進める傾向と一致している。
アラブ首長国連邦(UAE)経済省は、2025年の成長率を5~6%と予測しており、テクノロジー、再生可能エネルギー、貿易、金融サービス、インフラなど主要セクターの堅調なパフォーマンスが成長を牽引すると見込まれている。
一方、フィッチ・レーティングスは、米国の関税が世界経済に与える影響、エネルギー価格の低下、国際的な不確実性の高まりによる投資家の慎重姿勢を理由に、カタールの2025年実質GDP成長率予測を2.9%から2.6%に引き下げた。
サウジアラビアの最新データをまとめた発表で、GASTATは次のように述べた:「実質GDP成長の主な要因は非石油部門で、2.8ポイント寄与した。政府活動と製品に対する純税もそれぞれ0.5ポイントと0.2ポイントのプラス寄与をした」
セクター別パフォーマンス
GASTATの報告書によると、非石油セクターの多くが四半期を通じて強い成長を示し、卸売・小売業、飲食店、ホテル業が8.4%の年間増加率で牽引した。
運輸、倉庫、通信セクターも堅調なパフォーマンスを示し、前年比6%の成長を記録した。
一方、金融、保険、ビジネスサービスは、四半期比で0.1%のわずかな減少を経験したものの、5.5%の拡大を記録した。
これらの成果は、石油産業を超えた経済の多様化と回復力を浮き彫りにしている。
総固定資本形成は年間8.5%増加し、経済への信頼感を示した一方、政府支出は5.2%増加した。民間消費は前年同期比4.5%増加したものの、前四半期比ではわずかに減少した。
貿易収支の改善
サウジアラビアの輸出は、前期比 12.3% の大幅な回復を見せた一方、輸入は 10% 減少しており、貿易赤字は縮小した。
このデータは、ビジョン 2030 に基づく経済の多角化が進んでいることを示しており、非石油セクターが石油収入の変動をますます補っていることを示している。
国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」報告書で、サウジアラビアの2025年のGDP成長率を3%と予測し、1月の予測(3.3%)から下方修正した。IMFは2026年の予測も引き下げ、成長率を0.4ポイント減の3.7%とした。
これらの予測は、エネルギー市場の変動と石油生産の調整が、短期的な成長見通しを左右する重要な要因となっている世界経済環境の広範な傾向を反映している。
サウジアラビア王国の経済は、依然として炭化水素セクターの動向と密接に関連しているが、「ビジョン 2030」に基づく改革が進められ、この依存度が徐々に低下し、より持続可能な長期的な成長が促進されている。
この見通しをさらに裏付けるように、マスターカード・エコノミクスが2024年12月に発表した報告書では、サウジアラビアの非石油部門の拡大が加速しており、これが経済の回復力強化の主要な要因となっていることが強調されている。
この分析では、2025年のサウジアラビアのGDPは前年比3.7%の成長を見込んでおり、これはIMFの予測を若干上回っている。これは主に、観光、エンターテインメント、テクノロジー、製造などの非石油産業の好調によるものと考えられる。
マスターカードの報告書はまた、2025年も経済多角化が最優先課題であり、サウジアラビア当局は同国の強力な財政バッファーを活用して、野心的なインフラプロジェクトの資金調達と民間投資の誘致を進める旨を指摘している。
主要なイニシアチブには、NEOM、レッドシー・プロジェクト、キディヤなどのメガ開発プロジェクトに加え、再生可能エネルギーとデジタル変革への投資が含まれる。
「人口増加は経済活動の重要な原動力であり、特に民間消費において重要だ」と報告書は付け加えている。