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米国特使、海上の国境問題をめぐるレバノン・イスラエル協議を促進

7月31日、ベイルートで会談するレバノンのワリード・ファイヤド暫定エネルギー相(右)と米国のアモス・ホッホシュタイン特使安全保障担当上級顧問。(AFP)
7月31日、ベイルートで会談するレバノンのワリード・ファイヤド暫定エネルギー相(右)と米国のアモス・ホッホシュタイン特使安全保障担当上級顧問。(AFP)
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01 Aug 2022 04:08:31 GMT9
01 Aug 2022 04:08:31 GMT9
  • ホッホシュタイン特使は総合治安局に向かい、アッバス・イブラヒム少将と面会した。その後もワリード・ファイヤド暫定エネルギー相、エリアス・ボウ・サーブ国民議会副議長と特使は会談した

ナジャ ・フーサリ

ベイルート:レバノンとイスラエルが地中海の海洋ガス田をめぐって繰り広げている海上の国境紛争の解決に向けた協議を推進するため、米国のアモス・ホッホシュタイン特使が31日、ベイルートに到着した。

ドロシー・シア駐レバノン米国大使と大使館関係者たちが、ベイルートのラフィク・ハリリ国際空港に到着したホッホシュタイン特使を出迎えた。

ホッホシュタイン特使は総合治安局に向かい、アッバス・イブラヒム少将と面会した。その後もワリード・ファイヤド暫定エネルギー相、エリアス・ボウ・サーブ国民議会副議長と特使は会談した。8月1日には、ミシェル・アウン大統領およびレバノン政府高官と会談する予定となっている。

米国務省は次のように述べている。「グローバル・インフラストラクチャーと投資のためのパートナーシップの大統領特別調整官、アモス・ホッホシュタイン氏は7月31日にベイルートに到着しました。レバノンのエネルギー危機に対する持続可能な解決策について、バイデン政権がレバノンとイスラエルの海上の国境に関する交渉を促進することを含め、話し合う予定です。問題の解決は必要であり、また実現可能でもありますが、解決への道は交渉と外交努力の他にはありません」

レバノンの政治観測筋は、レバノン・イスラエルともに時間的な余裕がなくなりつつあり、策略をめぐらす余地はないこという点で一致している。「9月までに海上の国境の問題を解決することが、安全保障への影響を回避する唯一の方法」だと彼らは見ている。

レバノンに対するホッホシュタイン特使の提案によると、国境の線引きは、レバノンにカナ(Qana)ガス田、イスラエルにはカリシュ(Karish)ガス田フィールドを与える、ジグザグ状のライン23から始まることになる。

交渉のポイントのひとつと見られているのはライン29で、イスラエルが9月にガス採掘を予定しているカリシュ ガス田の一部を含む2290平方キロメートルの水域をレバノンの領域とするものだ。

ホッホシュタイン特使が訪問した夜、ナビハ・ベリ国民議会議長は、「国連が影響力を持つナクラは、他の場所よりも交渉には適しているでしょう」と自身の希望を述べた。

ナクラには、国連レバノン暫定軍が拠点を置いている。

ベリ議長は、「合意に従って、交渉に当たる軍の代表団が編成され」、「経済および安全保障をめぐり、いかなる遅延も許されない状況となっているため、不明瞭な申し出や提案はない」だろうとの期待を表明している。

議長は、どんな状況になろうと、どんな圧力があろうと、「妥協や自然消滅はない」だろうと強調した。

イスラエルのメディアは、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズによるガスと石油の採掘の提案があるだろうと報じている。採掘案は、「レバノンとイスラエルの利益のため、調整に関する問題を回避し、係争地での利益の公正な分配を確保するため」になるものだという。

イスラエル政府関係者によると、ホッホシュタイン米特使はレバノンとの海上の国境画定に関する新たな提案を行うとのことだ。

31日、ロイターの報道によると、そのイスラエル政府関係者は次のように述べたという。「私たちの新しい提案は、イスラエルの商業的権利を維持しながら、レバノンが係争地域の埋蔵ガスを開発することを可能にするものです」

ホッホシュタイン特使の到着に先立ち、レバノン政府は31日、ヒズボラによって公開された係争海域内のイスラエル船のドローン撮影による動画映像との関係を否定した。

アブダラ・ボウ・ハビブ暫定外務相は次のように述べた。「海上の国境の画定に決定権を持つのはレバノン政府であり、ガス田の位置を示したドローン映像はレバノン政府が関知するものではありません。抵抗勢力と問題を起こそうというわけではありません。ナクラで交渉を再開する、レバノン当局が取る立場としてこれだけは間違いない、ということです」

ヒズボラは7月2日に3機のドローンを発射した後、イスラエルにメッセージを送った。 メッセージは「(ヒズボラの攻撃が)届くところのようだ。時間を稼いでもみても意味はないだろう」というものだった。動画にはカリシュ ガス田とその座標が示されていた。

ヒズボラに所属する複数の活動家が、この動画が公開される前に、ソーシャルメディアのプラットフォームでその草稿バージョンを作成していた。

動画は、カリシュに停泊中のイスラエル船の新しい映像を見せ、ヒズボラの最高指導者ハッサン・ナスラッラー書記長の7月初めの演説を紹介している。演説の中で、ナスラッラー書記長は次のように語っている。「レバノンが自身の権利を得られないのなら、石油の採掘はさせない。戦争は不可避のものではないが、どうなるかは敵、イスラエル側の行動にかかっている」

イスラエルのメディアは、今回のヒズボラの動画を、レバノンとの合意について楽観的な見方をする説がイスラエル国内で流れた後に出てきた、「心理戦の流れの中での、イスラエルへの明確な警告のメッセージ」と評している。

イスラエルのカリン・エルハラ エネルギー相は次のように述べた。「イスラエルは新しい提案を行いましたが、これは最近の一連の協議の開始以来初めての提案で、問題の革新的な解決策への準備が整ってきています。レバノン政府にとっても、海上の国境をめぐる紛争を終わらせ、レバノンの経済的利益に資するガス田を開発する機会となっているはずです」

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