
ソフトバンク元社員による在日ロシア外交官への情報漏えい事件で、社外秘文書を取得したとして不正競争防止法違反罪に問われた同社モバイルIT推進本部の元統括部長、荒木豊被告(48)の判決が9日、東京地裁であった。赤松亨太裁判官は懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円(求刑懲役2年、罰金100万円)を言い渡した。弁護側は起訴内容を認めていた。
赤松裁判官は判決で、「重要な社会的基盤である無線網に関わる営業秘密が侵害された。犯行は巧妙かつ悪質だ」と非難。一方で、前科前歴がなく反省していることなどを踏まえ、執行猶予が相当とした。
荒木被告はこれまでの公判で「計40万円の報酬をもらった。一度は断ったが、役に立ってあげたいと思ってしまった」と述べていた。
判決によると、荒木被告は昨年2月18日と3月26日、業務用パソコンから同社サーバーにアクセスし、社外秘のファイル3点を不正取得した。
荒木被告を唆したとされる男性元外交官は今年2月に出国。不正競争防止法違反の教唆容疑で書類送検されたが、不起訴処分となった。
JIJI Press