
日銀の政策決定者は日本がデフレに逆戻りするリスクを検討したが、新型コロナウイルスの感染拡大によって企業が債務超過に陥ることを防ぐための強力な政策を提唱するには至らなかった。日銀の6月の会合の議事録から明らかになった。
新型コロナウイルスの影響が長期化する見込みであることから、緊急の流動性支援を受けても多くの企業が債務超過のリスクに直面する可能性があると、日銀の9人の政策委員の一部が述べたとされている。
しかし、この問題について発言した政策委員は、苦境にある企業を救うための直接の資本注入に日銀は慎重になるべきであり、そのような政策は政府の手に委ねるべきだと述べた。
月曜日に発表された議事録によると、「日銀の役割は流動性を提供することであり、政府・日銀それぞれの役割を明確にしながら日銀が政府と協力していくことが重
要だとの意見が数名の政策委員から出た」
日銀は3月、4月に金融政策を緩和した後、6月15、16日の会合で金融政策を据え置き、経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から緩やかに回復するとのを見通しを
維持した。
だが、議事録によると、感染拡大の影響が深まるなか、多くの政策委員は日本経済の回復について相変わらず暗い見通しを持っていた。
「感染拡大の影響は、あらゆる規模・業種の企業に広がっている。今後、企業の倒産や廃業が増えれば、日本がデフレに逆戻りするリスクがある」と数名の政策委員が述べたとされる。
また、多くの政策委員が、感染の第二波が来れば経済活動が「大幅に縮小する」可能性があると述べたことが議事録から明らかになった。
日本は5月下旬に全国的な緊急事態宣言を解除したが、首都東京で感染症が再び急増しており、すでに弱体化している経済に打撃を与える可能性がある第二波の恐怖が増している。日本では2万5千人以上の感染者が報告されており、そのうち千人近くが死亡している。
ロイター