
・変動が続く中、石油産業は引き続き慎重になり原価基準を重視する必要があるとADNOCのCEOは述べた
・OPEC内の石油生産国とロシアを含むグループ外の生産国は、市場の安定化を目指して生産量を削減することで合意した
– ショーン・クローニン
【ロンドン】アブダビ国営石油会社(ADNOC)のCEOは、中国の消費に牽引された石油需要の力強い回復を見込んでいる。
しかしADNOCのスルタン・アル・ジャバーCEOは、IHS副会長ダニエル・ヤーギンとのインタビューで、変動が続く中、石油産業は引き続き慎重になり原価基準を重視する必要があると述べた。「長期的な視点で景気がどう回復するかを予測できる者などいない。マクロ経済的に複数の不確定要素がある。一方ポジティブな面として、過去2カ月間で市場は明らかに引き締まっており、これは経済活動が再開し始めたために起こったことだ」と語った。「OPECの方針とリーダーシップもまた、市場の信頼性を高めるのに役立ち、その結果、石油需要の力強い回復が見られた。需要拡大は主に中国からだ」
中国はここ数ヶ月で石油の購入量を増やしており、5・6・7月の輸入量の合計は、3ヶ月間の輸入量として過去最高を記録している。
石油産業への前向きな見通しは、オーストラリアの鉱業・石油生産グループ、BHPの火曜日の業績にも反映されている。
「現物(石油)市場に対する最も重大なリスクは既に消え去ったと考えている」と同社は述べている。
OPEC内の石油生産国およびロシアを含むグループ外の生産国は、生産量を削減することで合意した。コロナ禍におけるロックダウンで需要の崩壊が世界の石油需要に壊滅的な打撃を与えたことから、市場を安定させることを目的としている。
OPEC+として知られる同グループは今月、減産量を従来の970万バレル/日から、約770万バレル/日に緩和した。