【ニューヨーク時事】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT、電子版)などは4日、ソフトバンクグループが、米ハイテク株に関するデリバティブ(金融派生商品)に巨額の投資をしていたと報じた。ハイテク株中心の米ナスダック市場は、8月に大幅に上昇。ソフトバンクの取引が、影響を与えた可能性を伝えている。
報道によると、ソフトバンクが巨額投資したのは、あらかじめ決めておいた価格で将来、個別株式を買う権利であるコール・オプション。株価上昇時には、大きな利益を得られる。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、投資額は40億ドル程度と報じた。
ナスダック市場では、8月にアップルやアマゾン・ドット・コムなどに買いが集まり、同月中旬以降にはナスダック総合指数は連日、史上最高値を更新。月間で約9.6%上昇した。
市場関係者によると、8月はハイテク銘柄に関するコール・オプション取引が増加していた。そのため、投資家の間では、ハイテク株の上昇期待が膨らみ、現物市場の相場を押し上げていた。
FTによると、最近みられた大口のオプション取引は「ナスダックのクジラ」と呼ばれていたという。
ソフトバンクは、上場株式への投資を積極化する方針を表明していた。米証券取引委員会(SEC)への提出資料によると、6月末時点でアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットなど約40億ドル分を保有。その4分の1程度はアマゾンが占めている。
JIJI Press