
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアがOPEC+同盟のパートナーたちに対し、世界の原油を今年始めの混乱から引き戻してきた石油減産合意の責任を果たすにあたり、慎重さと、規律と、透明性を持つように求めた。
王国のエネルギー担当大臣アブドゥルアズィーズ・ビン・サルマーン王子はその力強い開会の挨拶で、自国の合意条件を完全に順守することが、この強力な組織の23全てのメンバーにとって必要不可欠であると述べた。
「全面的な順守は慈善活動ではない。このグループのメンバー全員のそれぞれの利益を最大化するための、我々の共同努力の不可欠な一部である。そして合意順守は我々全員が積極的かつ責任を持って引き受けた、主権国家としての決定である」と、王子はOPEC+の仕事を監視する共同閣僚監視委員会(JMMC)の毎月恒例のバーチャル会議で代表者たちに話した。
会議では、5月から8月の期間において合意された生産レベルを忠実に守ってきたOPEC+メンバーは、たった6ヶ国しかなかったことを示す専門報告書が報告された。
サウジアラビアはその期間、圧倒的に最大の量の減産を行った。一方で伝統的にOPEC+の合意に熱心に従うUAEは、その減産目標に対して大幅な未達となった。
王子は、「過去数週間における重要な教訓は、生産や合意順守について市場やこのグループに対し透明でいることが、常に効果を生むということ」と述べた。
「市場を出し抜こうとする企ては成功せず、非生産的である。我々は世界中から注目されており、技術もある」と、彼は付け加えた。
目標未達の国は補償のため今後より多くの原油生産を削減することで合意している。しかし王子は、「補償の仕組みは全面的な順守の代替手段としても、順守違反を促すものとしても作られていない。全面的に順守せず、後で補償を行うことが通例となるべきではない」と警告し、補償の仕組みが今年終了することを望んでいると付け加えた。
一部のアナリストは、4月の歴史的な減産協定の第2局面でもたらされる増産を部分的に保留することが、OPEC+会議で合意されると見込んでいた。しかしこのことが真剣に検討されることはなかった。
「他の選択肢も、万能薬もない。これは我々がこの困難な時期を乗り越えるための、唯一の効果的な薬である」と、アブドゥルアズィーズ王子は述べた。
このOPEC+に対するサウジの力強いメッセージに同調し、ロシアのエネルギー担当大臣アレクサンダー・ノバックは、「全員が引き続きこれを忠実に守り、我々が達成してきた高い水準を維持することを強く求める」と話した。
COVID-19の復活懸念と石油需要の落ち込みから最近数週間にわたり圧力を受けてきた世界の石油価格は、値下がり分をさらに取り返して、じりじりと1バレル43ドル付近まで上昇した。