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メッカのホテル、値引きを伴って復活

マスジド・ハラーム周辺のホテル客室は、年間を通して宿泊料がもっとも高いことで知られるが、現在の宿泊料はSR250からSR700だ。(AFP)
マスジド・ハラーム周辺のホテル客室は、年間を通して宿泊料がもっとも高いことで知られるが、現在の宿泊料はSR250からSR700だ。(AFP)
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07 Oct 2020 07:10:32 GMT9
07 Oct 2020 07:10:32 GMT9
  • 同セクターの企業競争力は「恐らく2023年までに回復」

Tareq Al-Thaqafi

メッカ:ウムラの時期が到来し、メッカのホテル価格がかつてないほど大幅に値下げされている。場所によっては、部屋の料金がSR38(10ドル)にまで値下がりしている。

マスジド・ハラームが一望できる5つ星ホテルは、大幅に割引された料金を設定し、業務を再開しホテル業界に平常を取り戻すべく準備を進めている。

聖地メッカには1400件以上のホテルがあるが、これはサウジアラビアの宿泊施設セクター全体の3分の2を超える数だ。

マスジド・ハラーム周辺のホテル客室は、年間を通して宿泊料がもっとも高いことで知られ繁忙期に3回ほどピークを迎えるが、現在の宿泊料はSR250からSR700(77ドル~187ドル)だ。

ハッジ・ウムラ担当大臣を務めるムハンマド・サーリフ・ベンテン博士によるTwitter投稿で、パンデミックが引き起こした困難な状況を耐え忍んできた、メッカ中心地のホテルに注目が集まっている。

ベンテン大臣は、メッカのホテルによって提示された魅力的な料金に感謝の意と喜びを示し、ホテルには衛生上の要件を踏まえた安全な環境が整っているとした。

メッカ商工会議所でホテル委員長を務めるアブドゥラ・フィラリ氏はアラブニュースに対し、一部のホテルが発表したプロモーションは、同セクターを活性化するための段階的手段であると語った。同氏は宿泊料の値下げについて、低迷するホテル業界の段階的かつ漸進的な健全化の第一歩に過ぎないと述べた。

フィラリ氏は、宿泊料金について、パンデミックに見舞われた後に低下した雇用量を反映するものではないと指摘している。「すべてのホテルが、従業員の雇用を維持し記録を整理するため、国庫補助『SANED』に頼る必要がありました」と同氏は語った。

同氏はまた、活気を取り戻したのは中心地にある4つのホテルだけであり、宿泊施設セクターの回復は2021年10月までに本格化するだろうと付け加えた。フィラリ氏は、企業競争力は2023年末までに回復するとみている。

メッカの中心地に面する某ホテルでマネージャーを務めるFadel Munqal氏は、巡礼者の安全の保護をみれば、イスラム教徒に対する政府の取り組みは明解で明らかだと語った。ウムラ再開への道は、健康と予防に関する計画に沿ったものであり、健康と安全の保護を確保できるとMunqal氏は付け加えた。

「サウジアラビア王国は、様々な国籍を持つすべての巡礼者のために、最高レベルの安心感と準備を実現しようと努めています。これは、計画の第3段階が開始されれば達成されます。それは宿泊施設セクターの本当の復活を意味し、巡礼者は総合的な宗教・観光体験を味わうことができるでしょう」とMunqal氏は述べた。

また同氏は、王国はハッジ・ウムラ期間中の巡礼者の安全を守るため、経済的繁栄を犠牲にするという寛大な策を講じたと付け加えた。

Munqal氏によると、ホテルが予防策を取りつつ世界中から訪れる巡礼者を迎える上で、サウジアラビアにはそれを支援する力があるという。また同氏は、メッカにはイスラム教の聖地がいくつかある他、重要な歴史博物館もあると付け加えた。

グランドモスク図書館

メッカのグランドモスク図書館は、来館者の受け入れを開始するため、16を超えるイニシアチブを打ち出した。図書館は、1時間に30人の来館者を受け入れ、厳格なソーシャル・ディスタンシング策を講じる。

同館は、1000平方メートルの広さ、そして3万冊の本と5600冊の出版物を誇る知識の宝庫とされる。

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