• 航空会社と労働組合の間のレイオフ協定では、性別、人種、年齢に関係なく、若年のパイロットが年長のパイロットよりも先に職を失うことになる。

モントリオール：メギン・トンプソンが昨年、民間パイロットとして夢の仕事に就いたとき、彼女はコックピットの女性の数を増やし、記録的なパイロットの需要を満たすために世界中で採用された数千人のうちの一人であった。

今、新型コロナウイルスの危機によりパイロットの不足が余剰に様変わりするなか、より多くの女性パイロットを採用するための業界全体の活動が脅威にさらされており、男性優位の航空部門に対する改革が打撃を受けている。

米国だけでも、政府の景気刺激策が今月で終了すると、トップ2の航空会社が3000人以上のパイロットを解雇する予定で、そのうち不均衡なまでに多くの数は女性である。

航空会社と労働組合の間のレイオフ協定では、性別、人種、年齢に関係なく、若年のパイロットは年長のパイロットよりも先に職を失うことになる。

欧米の多くの航空会社で行われている「後入れ先出し」の労働取引は、最近の採用者が優先的に解雇されることを意味している。

そして、これらの新入社員は過去に比べて女性の割合が高いと、国際女性航空パイロット協会（ISWAP）は述べている。

アメリカン航空傘下の地域の航空会社に搭乗するトンプソンは、政府の給与援助や労働組合との土壇場の取引がない限り、10月1日に一時解雇される米国の少なくとも600人の女性パイロットの一人となる。

32歳のトンプソンは、自身の低い年齢により、パイロットの約35パーセントを削減することを予定しているアメリカの関連会社パシフィック・サウスウエスト航空（PSA）での一時解雇対象者の「ど真ん中」に位置することになると述べた。

「40年前にさかのぼってみると、完全に男性の世界でした。そのため一時解雇から保護されている上位クラスの女性は多くはありません」とトンプソンは語る。彼女は飛行免許の飛行時間を稼ぐため、実子を持たないことに決めた。

「PSAは（私）メギンが嫌いだから解雇するのではありません。それとは全く関係なく、後入れ先出しの原則と100％の関係があります」

現在、3児の養子の母である彼女は、アマゾン、ケロッグ、ペプシコの求人に応募している。

ボーイング社の試算によると、コロナ危機以前、世界の航空旅行は年率5％という記録的な成長を遂げており、今後20年間で80万4000人のパイロットが必要とされていた。より多くのパイロットが必要とされていたため、女性の採用が最重要課題となっていた。

しかし、ポストコロナで大損害を被った業界は、2024年になるまで、2019年の航空需要が復活し、再び成長することはないと予想している

「今年は大きなキャンペーンを行う予定でしたが、今回の危機により保留にせざるを得ませんでした」と、ISWAPの教育とアウトリーチの責任者であるオーストラリア人パイロットのダヴィダ・フォーショーは述べる。

ISWAPのデータによると、女性の採用活動にもかかわらず、コロナウイルス危機の前には、世界の航空会社のパイロットのわずか5.3％が女性であった。この割合は、航空会社が人員削減計画を実施するにつれ、再び低下するとISWAPは予測している。

主要なパイロット労働組合から提供された数字によると、アメリカン航空とデルタ航空では、約2万7800人のパイロットのうち約5.2パーセントを女性が占めている一方、女性はこれらの航空会社が解雇を予想している3645人のパイロットの6.7パーセントを占めている。

アメリカン航空はこの問題について直接コメントすることを控えたが、広報担当者によると、一時解雇後の女性パイロットの割合が5.1パーセントから4.9パーセントに下落することを労働組合のデータが示唆しているという。

デルタ航空は、パイロットの解雇について組合と協議中であると述べたが、男女別の内訳は明らかにしなかった。

ロイター