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インタビュー:アマーラ – 「大胆不敵」な「紅海のリビエラ」プロジェクト

ルイス・グラニェナ氏によるイラスト
ルイス・グラニェナ氏によるイラスト
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27 Sep 2020 11:09:06 GMT9
27 Sep 2020 11:09:06 GMT9
  • ニック・ネイプルスCEOが、サウジアラビア西海岸の持続可能な高級リゾートについて語る

フランク・ケイン

ドバイ:サウジアラビアの経済多様化に向けた改革計画「ビジョン2030」の象徴となる巨大プロジェクトは、新型コロナウイルスによる混乱や懐疑派たちの見通しをよそに着々と動いており、中でもサウジ西岸に「航海のリビエラ」を建設しようとの計画は全速力で進んでいる。

「私たちは計画通りに事を進めており、今夏に着工しました」と、この野心的プロジェクトの担当企業であるアマーラのニック・ネイプルスCEOはアラブニュースに語った。「アマーラ」という言葉はアラビア語で「希望」を意味するが、基本計画の裏にある考え方としては、一時的な願望以上のものを構想している。

第1段階が2024年までに公開予定となっており、「大胆不敵な構想ですが、達成不可能ではありません」と彼は述べた。「持続可能性、健康、社会奉仕分野の革新となる素晴らしいプロジェクトの指揮をとることができて私は幸運です。世界中の専門家たちと仕事をしており、サウジの若い人材が成長して明日のサウジを背負うリーダーとなっていくのを目の当たりにできるのは非常に光栄です。

しかし、今現在の活動ペースでは、私にとって日中に素晴らしい仕事が行われていくのを楽しんだり噛み締めたりする暇をとるだけの十分な時間がありません」

ラグジュアリーな接客やレジャー産業で30年の実績を持つ彼には、このプロジェクトを監督するに十分な資格がある。

リッツカールトン、フォーシーズンズ、シーザーズ・エンターテインメント等、彼はこのセクターで非常に名の知れたホテルの仕事に携わってきた。米国やマカオの巨大プロジェクトに関与し、世界中で何十億ドルというリゾート開発を手掛けてきた。

アマーラはおそらく、それらのどれにも勝る野心的な事業だ。一つ目の理由としてこれは、つい最近、自国の歴史や文化や自然の魅力を観光名所として世界に開放し始めたばかりのサウジアラビアを立地としている。

二つ目にこの計画は、観光客が自分たちのバケーションに、太陽、海、砂浜以上のものを求め始めたのと時を同じくしている。客は、壮大なスケールの贅沢と快適さを求めながらも、それと同時に独特な体験や活動をも求め、さらにそれが環境も損なわないものであることを欲している。アマーラは持続可能なツーリズムの模範となるよう計画されているのだ。

これらの課題は2017年のアマーラ計画開始当初から予測されていたことだが、今年になって最後の難題が浮上した。この開発は、ここ100年で最大の公衆衛生危機と経済危機が起こり、各国政府がコロナ後の生活の新たな現実に対処すべく支出を削減している最中に進められているのだ。

ネイプルス氏は現実的な見方をしている。「これは困難な時であり、世界が新型コロナ感染拡大と戦うべく結束するなかで、私たちは世界中の経済に広がる影響を目の当たりにしています。アマーラは現在の経営環境を認識しており、このセクターの創造的破壊者となってラグジュアリーな旅行先を届けるための取り組みを着実に続けています」

略歴

出身: 米国

学歴: ニューヨーク州コーネル大学修士号

 

職歴

  • リッツカールトン、フォーシーズンズのリゾートプロジェクト幹部
  • インテグレーテッド・リゾーツ・インターナショナル・米国、中国、ベトナムの最高経営責任者(CEO)
  • シーザーズ・エンターテインメントのホテルプロジェクト幹部
  • スタジオシティー・マカオの最高業務執行責任者(COO)
  • アマーラの最高経営責任者(CEO)

いくつかの意味で、コロナ禍のタイミングは幸運だった。「開発の初期段階だったので、コロナにより計画が断念させられることもなく、リモートワークをしながら計画通りに事を進めることができました」と彼は述べた。それと同時に、アラビアン・トラベルマーケット、フューチャー・インベストメント・イニシアチブ、モナコ・ヨットショー等、国際スケジュールにおける主要イベントのいくつかをキャンセルできたことが、アマーラを見込み提携業者や投資家たちに売り込む彼の能力に好影響を及ぼした。「私たちはニーズに合わせて進化しています」とネイプルス氏は述べた。

「ビジョン2030」の他の大きな取り組みと同様、アマーラの管理や投資は、サウジの急成長中の主権国家資産ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」であり、同ファンドはコロナ禍の財政的・経済的な圧迫の中にあっても低迷の兆候を見せていない。

基本計画では、北の巨大なNEOMの開発地と遥か南のジッダ港湾都市のほぼ中間辺りの、4000平方キロメートルに及ぶ紅海沿岸の土地や海洋環境に、3つの「コミュニティー」を造ることになっている。歴史遺跡アルウラにも近く、主要な観光や文化的プロジェクトの中心地でもある。

互いに繋がりのあるアマーラの3つのプロジェクトは、観光客に異なる体験を提供する。

「トリプル・ベイ」は、最先端の医療施設と世界クラスのスポーツインフラを備えた総合的な静養所になる。

「コースタル・デベロップメント」は、現代アート美術館や映画祭会場、パフォーマンスアート会場、ビエンナーレ公園等の芸術・文化センターを造る。

3つ目の開発プロジェクトである「ザ・アイランド」は、第一級のリクレーション施設とレジャー施設を備えた寛ぎのリゾートで住民や観光客がリラックスできる、高級な居留地だ。

3つの開発は「目的もデザインも明確に異なりますが、持続可能性を中核に据えた革新的な取り組み方により互いに結びついています」とネイプルス氏は述べた。

フォスター&パートナーズがこの開発の最終設計を任されているが、他にも米国の設計会社HKSや、受賞歴のあるジャン・ミシェル・キャシー氏率いるデニストン等、世界的な設計の専門業者が基本プランの特定側面に携わっている。そしてそれら全てが持続可能性に関するしっかりとした実績を持っている。

「これまでに持続可能性がこれほどの大規模プロジェクトで着手・採用されることはありませんでした。既存物件の持続可能性に関する希望は、概して、足りない部分を調整して現在の基準に持っていくという作業になりますが、アマーラの場合は、時間をかけて最初からそれらの基準を満たすことになり、世界で責任あるツーリズムの役割を高める海岸オアシスを作り上げます」と彼は付け加えた。

アマーラは、自然や歴史的遺産が見事なムハンマド・ビン・サルマン自然保護区域内に位置する。これらの資産の管理人の役割を果たすことがこのプロジェクトの使命であるとネイプルス氏は述べた。実際に開発されるのは全地域の5%だけで、残りの場所は保存や保護の対象となる。

開発には世界クラスのヨット施設やその他の海洋レジャー活動のための計画も含まれるが、保護地区を定めたりプラスチック汚染に取り組むなど、サンゴ礁の管理や生物種の保護も確約している。

アマーラ海洋生物協会には、海洋保護の取り組みを研究してそれをサウジアラビア全国の海岸や世界の海へと適用させるべく、研究・開発施設が設置される。

「設計・開発は世界最高基準に沿って進められ、設計、建設、経営の全段階にわたって最高レベルの持続可能性を満たすべく提携機関と取り組むことになります。国際的な環境保護基金との提携関係は、現地の生物圏、特に海洋環境保護に対して私たちが責任を持って取り組むという証です」とネイプルス氏は述べた。

このエリート層向け開発地に誰が訪れるだろうか。特にコロナ禍後の、どこかのラグジュアリー分野のエキスパートが「ポスト・オピュレンス(脱贅沢)」と呼ぶこの時代に。

「高級ツーリズムのコンセプトは進化しています。今日、世界の最も見識ある人々は、他者とは違う個人的体験の発見に惹かれています。自分探しの旅を通じて実現できる、没入型で、本物の、自分だけの体験です。私たちの狙いは、地球の天然資源を守る変革の時を形成し生きることに熱心なコミュニティーの望みや志を実現させることです」とネイプルス氏は述べた。

「アマーラは、このセクターの創造的破壊者となり、超贅沢なリゾート体験やツーリズム体験というもの全体を再定義します。個人に合わせたサービスの基準を設定し、各ゲストが、アマーラをひとつに繋げる柱を通して自分の旅を作り上げるのです」

専用の空港が、最初はプライベートジェット機やチャーター機を受け入れ、最終的には紅海沿岸の近隣観光名所のためにも機能できる商用施設となり、海外の観光客をこの開発地に直接運び入れることになる。他の巨大プロジェクトとしては、境界の内部で通用する特別なビザや行政措置なども考慮中であるとされている。

ネイプルス氏は、サウジアラビアのツーリズムの課題については確信がある。

「私たちは短期間で盤石な観光インフラを構築し、世界の観光客が世界の主要観光地で慣れ親しんでいるものと同レベルの卓越と専門性を打ち出す必要があります」と彼は述べた。

国内の課題もある。「私たちはまた、成長と発展の機会を設けることにより、観光業界により多くのサウジ国民を引き付ける必要があります。これは、世界中の優れた専門家たちを引き付け、彼らにサウジ観光の次世代を担う専門家たちの指導者になってもらうということです」と彼は述べた。

ネイプルス氏は、アマーラ計画の「大胆不敵」な本質を強調したが、計画の長期的な実行可能性について彼は心配していない。

「私たちは、素晴らしい自然環境が独特の文化や画期的な経験と相まって、観光客を引き付けるのは間違いないと自信を持っています。比類のない質、持続可能性、コミュニティーを通して、世界の想像力を目覚めさせることでしょう」と彼は言う。

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