
ショーン・クローニン
ドバイ:エミレーツ航空のティム・クラーク社長は、コロナウイルスは航空業界の歴史の中では「不具合」に過ぎず、世界の航空旅行需要は予想以上に迅速かつ力強く回復するだろうと述べた。
彼は水曜日のCAPA の航空業界バーチャル会議において、国際航空旅行需要は予想より早く回復する可能性があり、エミレーツ等のネットワークキャリアは特に力強く回復できるのではないかと述べた。
「パンデミックは、いわば不具合だ。我々は過去に多くのパンデミックを経験してきており―おそらく航空業界にとっては今回のパンデミックほど重要かつ深刻ではなかったろうが、それでも不具合に過ぎない。乗り切ったら、また回復するだろう」
業界のベテランは、ドバイを本拠とする同社が開拓したネットワークモデルは、世界的なフライトの大幅な縮小でも、パンデミックに揺らがされることはないだろうと述べる。
「これからの未来に、エミレーツ航空のほどの規模、広がり、威勢、ブランドを持つネットワークキャリアの居場所はあるだろうか?もちろんある。私はそれを固く信じている―ただ、私が信じないことなんてあり得るかとむしろ問いたい」
「それはつまり、人々がウイルスを心配して、国際的な主要ハブ空港を通る旅行をしないということを意味するのか?ワクチンができて、世界が今回や将来襲う可能性のあるより多くの病原菌に対して、十分な回復力を持って対処できるようになったら、記憶は短く、需要は強いため、多くの点でネットワークキャリアの役割はこれまで以上に強くなると思う。これは興味深い仮説だが、同意しない人が多いだろう。『いやいや、縮小の必要がある。どれも信じられない』などと言う」”
この発言は、エミレーツ航空がドバイを経由して何百万人もの世界的旅行者を送り出し、世界中にネットワークを展開するというハブ戦略を見直すのではないかとの憶測が流れている中でなされた。
同航空会社のアデル・アフマド・アル・レダ最高執行責任者(COO)は6月、パンデミックに対応するために運航モデルの一部を再定義する必要があるかもしれないと述べていた。
しかし、クラーク氏は今週水曜日、パンデミック後の世界でもネットワークモデルの居場所は依然としてあるだろうと述べた。
「高度に洗練された国際的ネットワークモデルを構築できたからこそ、これまでまともな航空便がなかった多くの国や都市が航空便を利用できるようになったのだ。パンデミック前に描いていた成長曲線を取り戻すと想定するべきだ」
「回復はあると思うし、需要が回復をけん引するだろう。航空業界がそれに対応できる状態にあるかどうかは、また別の問題だ」
同氏は、業界の回復力には自信があるとはいえ、短期的には各国政府が実施している航空旅行の制限は「好転する前にまだ悪化する」可能性が高いことを認めた。