
11日の東京株式市場は、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発が進み景気が回復するとの期待が広がり、買いが優勢だった。日経平均株価は444円01銭高の2万5349円60銭と29年ぶりに終値でも2万5000円台を回復し、バブル崩壊後の高値を更新。約1年ぶりの7営業日続伸となった。
10日の米国株式市場では、ワクチンや治療薬への期待感からダウ工業株30種平均が上昇。東京市場もこの流れを引き継ぎ、経済活動が正常化すれば業績回復が見込まれる自動車株や不動産株がにぎわった。10日に日銀が地域金融機関の経営基盤を強化する特別制度を導入すると発表した影響で銀行株の値上がりも目立った。
終値が29年ぶりに2万5000円台を回復した日経平均株価を示す電光ボード=11日午後、東京都中央区
終値が29年ぶりに2万5000円台を回復した日経平均株価を示す電光ボード=11日午後、東京都中央区
11月に入って日経平均の上昇が続き、11日は前日終値からの上昇幅が一時、500円近くに達した。東海東京調査センターの仙石誠氏は「9月中間決算で企業業績の改善が明らかになり、日本株への投資に慎重だった投資家による買い戻しが続いている」と指摘する。
ゲーム会社などの「巣ごもり関連」と呼ばれる銘柄を売り、景気敏感株に乗り換える動きが活発化。11日の東証1部売買代金は3兆4841億円だった。
JIJI Press