
東京:米小売業のウォルマートは月曜日、同社の子会社で、日本でスーパーマーケット事業を展開する西友の株式の85%を売却し、15%を引き続き保有すると発表した。株式の売却に当たって西友の企業価値を1,725億円(16億ドル)と見積もった。
世界的な投資会社、KKRが65%の株式を取得し、日本のオンライン小売業者、楽天が20%の株式を取得すると、両社が声明で発表した。
声明によると、KKRと楽天は、電子商取引や世界的なデジタルマーケティングの専門知識を持ち寄り、デジタル化が進むショッピングの時代の中で西友を強化していくという。
西友のリオネル・デスクリーCEOは、移行期間中も引き続き西友を率いて、その後、世界最大の小売企業であるウォルマートで新たな役職に就く予定。
また、KKR、楽天、ウォルマートの代表者で構成される取締役会を設置し、新CEOを任命するという。
規制当局の承認を得て、この取引は2021年の第1四半期に完了する見込み。
アーカンソー州ベントンビルに本社を置くウォルマートは、欧州やその他のアジア地域でも店舗を展開しており、2002年に西友の株式の一部を購入して日本市場に参入し、「エブリデーロープライス」を日本にもたらすことを約束した。西友は2008年にウォルマートのグループ会社となった。
日本の小売市場は外資系企業にとって難しい市場であり、ウォルマートの参入は当初から懐疑的な見方をされていた。
日本の消費者は気難しい傾向があり、安物や品質の悪い商品を敬遠してきたこともあった。しかし、その傾向は急速に変化し、より多くの日本人がより価格の安い商品を求めるようになり、ディスカウントストアの人気が高まっている。
世界中で起こっているもう1つのトレンドは、コロナウイルスの流行で加速したオンラインショッピングへの移行だ。
楽天とウォルマートはすでにオンラインショッピングや電子書籍サービスのサポートなどで提携している。
「西友の実店舗におけるデジタルトランスフォーメーションを加速させて、オフラインとオンラインをさらに融合させた最高の購買体験を提供できることを楽しみにしています」と楽天経営幹部の武田和徳氏は声明の中で述べている。
西友は引き続き、ウォルマートの世界的規模の商品調達を利用することができる。理論的には規模が大きくなれば価格は下がる。
1963年に創業した西友は、全国に300店舗以上を展開し、3万4000人以上の従業員を雇用している。2020年度の売上高が5,240億ドルに達するウォルマートは、世界中で220万人以上の「アソシエイト」と呼ばれる従業員を雇用している。米国では、ウォルマートのオンライン販売はパンデミックの間、好調に推移しているが、この分野ではまだアマゾンに大差をつけられて2位となっている。
AP通信