


アラブニュース日本版
月曜日、東京の一般社団法人G1が開催するG1サミットが日本の菅義偉首相、河野太郎行政改革担当大臣、その他業界のリーダー達のスピーチにより幕を開けた。
セッションの議題には、人材マネジメント、グローバル化、Z世代、遠隔教育、コロナウイルスの感染拡大などを含まれた。
「グローバル化とDXの時代の組織管理と人材マネジメント」をテーマにした最初のセッションには以下のパネリストが登壇した。
石田茂、電通代表
石田は電通は「まったくグローバル化が進んでいない。9月に電通インターナショナルと社名を変えたばかりだ」と語った。
「2013年、電通はロンドンに拠点を置くEGIを買収し、グローバル化が始まった。デジタル化も時間がかかり、2017年に電通デジタルが設立された。ようやくだ。社員は世界的には47,000人で、国内では17,000人。割合としては、全世界の売上高の65%、売上比率は全世界で60%、国内で40%となる」
石田は、それぞれの企業が創造性がいかに重要かを考えるべきだと話した。
「以前はプロジェクトはローカル業務部が担当していたが、創造性は様々な、時には相対するアイディアからのみ生まれる。違いを通してのみ、新しく創造的なものをつくり出せるのだ」と、石田は語った。「私たちがそこに思い切って飛び込むのは非常に重要だ。それにより、人々がより創造的に生産的になるよう力づけられるだろう。世界的には他の国から多くを学ぶと同時に、彼らの弱みを強みに変えるために私たちのできることを提供できる。全世界に60,000人の社員がいる電通なら、それが可能だ」
滝波純一、コーン・フェリー日本共同代表、ボストン・コンサルティング執行取締役
「コンサルティング業界では、これまでもリモートワークはそう難しいことではなかった。現在はとにかくフルに機能するために使えるものは使わざるを得ない。オンラインでの新入社員の面接はかなり効率的だ」と、滝波は語った。
「今は、社員の約10~20%が実際にオフィスに出社している。IT技術は世界中に広がっている。全世界の人事評価のデータにもアクセスできる。Googleはその技術の最先端を行っている」
滝波はまた、「才能のある社員に留まってもらえるよう感情面でのサポートを提供することは重要だ。本当に才能のある人々はモチベーションを求め、常に自分を向上させようとしている。その成長への動機に合った職場環境を用意する必要がある」
平手智行、グーグル・クラウド・ジャパン代表
「今回のパンデミックは人類史上初めてコミュニケーションと流通を遮断した。外資系企業はボーダーレスな運営とリモート業務に慣れており、そのためのインフラもすでに確立されていた。なので、オフィスに出社することに依存していた従来の日本企業に比べれば、我々はコロナウイルスによる影響はほとん受けなかった。たとえば小売業であればEコマース、医療ならオンライン医療アセスメントやシミュレーションなど様々な分野においてデジタルのプラットフォームでユーザーとつながるための新しい形を確立することが重要だ」と、平手は語った。
「弊社ではデジタル化を達成するために既存の規則を破らなくてはいけなかった。だが、日本には日本なりのメリットがある。ヨーロッパやアメリカでは時にはトライアンドエラーを繰り返して時間や費用が無駄になるが、日本は熟考してからでなくては実行に移さない。それによって、物事を行うやり方を新しい視点で見直しつつ、日本はコロナの時代に進化していくことができるだろう」と、平手は付け足した。
また、「40歳未満/Z世代のG1サミット」をテーマにしたセッションでは、職場におけるこれからの若い世代について議論された。登壇者は以下を含む。
米良はるか、READYFOR株式会社代表
米良は「今しかないトレンドを活用することが社会におけるムーブメントやミッションを創り出すための鍵だ。若い世代は意義を感じられるミッションを持つことが非常にモチベーションになる。また、職場を居心地のいい、長くいられる場所にすることも重要だ。ミッションを持ってこの会社にいることで自分自身の目標も達成できると社員が感じられるようにしたい。それがうまくいけば、社員が同じような考え方の人々をさらに連れてきてくれるだろう」
小泉文明、メルカリ代表
小泉曰く、若い世代は「やりたいことは何でもできるし頭もいいが、必ずしもテーマがあるわけではない。ビジネスを始める人は、所有者になりたいか、大きな計画やプロジェクトを実行したいと考えている。私たちは後者だ。若い世代はまたプライドも高いので、それを刺激することも重要だ。使命感と価値はセットで考えられる。私たちは困難なミッションを設定することが大切だと信じている。メッセージや評価は価値と公平性に該当する」
小泉はまた、メルカリは「最近では世界的に拡大しており、イギリスではメディアに取り上げられ人気を呼んだ。メルカリを使えば物を捨てずにすみ、埋め立て廃棄物が減らせるからだ」と話した。
赤川隼一、ミラティブ代表
赤川曰く、「我々の会社は一人一人の価値観や使命感を重要視することが大切だと感じている。10代のプログラマーや20代の才能あふれる社員も多く在籍している。オンラインでライブ配信をするなどして、若い人たちがゲームのソフトを楽しんで創造性を発揮できる場所をつくろうとしている」
「2040年は個人の才能を重んじる時代になるだろう。弊社が、それぞれが自分の才能を活用しやりたいことをキャリアにできる場所になれることを願っている。それが、Z世代のテーマだ」と、赤川は話した。
G1サミットの最後のセッションは「コロナ時代にどのように遠隔リーダーシップを実現するか」だった。登壇者は以下を含む。
辻庸介、マネーフォワード代表
辻は、「日々、効率的に業務を進め、技術を活用し、やる気と生産性を高め合うための新しいシステムやルーティーンを考えている。また、新たなコンテンツを生み出し、横のつながりを持てることで社員に出社を楽しんでもらえるようにしている」と、語った。
松本恭攝、ラクスル代表
「この時代を生き抜くには既存の業務ルーティーンをどう変化させていくかがカギになる。私たちは最も効率のいいリモートワークの方法を模索中だ。9月からほとんどの社員を出勤は週一のみとしている。一人ひとりがリモートワークと出社のバランスをとれるように調整中だ」と、松本は話した。
福田譲、富士通執行取締役
福田は、「弊社では毎日オンラインミーティングを行っており、この方が良いと感じている。社員が特に5時以降リラックスしているからだ。このやり方の方がより良いコミュニケーションがとれる。また、経営陣の評価を行い、良いフィードバックが得られない者は降格もあり得る。この先、会社を常に新鮮で効率的な状態に保つことが重要だ。経営陣間のコミュニケーションも強化していきたい」と、語った。山口有希子、パナソニックCMO
「直接コミュニケーションをとったり新な分野を開拓していくことは難しく、バーチャルでデジタルなコミュニケーションも課題は多いが、今こそバーチャルで新たな分野を開拓していく必要がある。今の時代、広がり始めており、必要不可欠なものだ。文化と行動は時間とともに変わる。多くの努力と強い意志が必要だ」と、山口は語った。