
Rashid Hassan
リヤド: サウジ証券取引所タダウル(Tadawul)は、2021年以降のどこかで実施予定の、来年株式新規公開(IPO)に向けて足固め下準備を開始する、だが、王国はグローバル資本市場の大手プレーヤーに進化する為、これが唯一の大型上場案件になる見込みはない。
タダウルCEO兼取締役のハーリド・アブドゥッラー・アール・ハサン(Khalid Abdullah Al-Hussan)氏は、待望の株式売出しは、初期準備作業の進捗よっては2021年以降になると確認した
ブルームバーグ主催ウェビナーに登壇しながら、アール・ハサン氏は、2020年は「例外的な年」であったと述べたが、コロナウィルス(COVID-19)の衝撃影響に対し「市場は積極的に反応した」と考えている。
取引所の回復力を示す例として、彼は、2007年に設立され公的投資資金(PIF)が100%所有するタダウルは、株式市場を外国人投資家にとってより魅力的にするとの戦略の一部として、8月に王国初の上場デリバティブ市場と清算機関(クリアリングハウス)を立ち上げたとの事実を指摘した。
ナスダック(Nasdaq)の技術を用いて、Saudi Futures 30 (SF30) 指数先物取引契約は、 初の上場デリバティブ商品であるMSCI Tadawul 30 (MT30) に基づいている。
これは、地元国内投資家にとっても国際海外投資家にとって魅力的な洗練された市場商品を導入し、取引トレーディング環境を創設するにあたっての重大なステップである、とアール・ハサン氏は述べた。
「危機的な状況下でも我々は野心的に続ける、」と彼は述べた。
取引所自体の上場に加えて、2021年はサウジ王国におけるIPOにとって重要な年になるだろうとの希望を表明した。
「もうすぐそうなる。そうなるのが見えている、」と彼は述べた。
木曜日に同じイベントにて登壇していた、サンバ・フィナンシャルグループ会長アンマール・アール・フダイリ(Ammar Al-Khudairy)氏はアール・ハサン氏の楽観的見解に共鳴した。「2021年にはいい数字(12件前後)のIPOが成立する」、と彼は述べた。
大きく報じられたアラムコ社の上場に言及しつつ、Al-Khudairyは、サウジ取引所において行われた世界最大のIPOから1年経ち、「経済回復に向けたアジェンダの背景に我々は対応している」と述べた。
「我々は、自分たちが大型IPOを手掛けられることを世界に示した。我々には能力がある。グローバルでなくとも、大手プレーヤー、地域プレーヤーとして考え始めるべきである」と彼は述べた。
Al-Khudairy氏は、王国の金融業界の重大な発展として、自身の銀行のサウジ国立商業銀行(NCB)との合併を評価した。「規模が重要である;銀行業には規模が物を言う、経験データが奨励している」と彼は述べた。
合併後、新しい事業体はリテール貸出市場の26%を支配し、リテール負債市場の29%を占めることになる。
これらのプラスの進展はいずれも、パンデミックの最中に、王国が相当な進展を遂げしつつ世界有数の資本市場になったことをさらに証明することになる、と資本市場庁(CMA)の会長ムハンマド・エル・クウェイツ(Mohammed El-Kuwaiz)氏はオンラインイベントを通じ述べた。
「これは改革イニシアチブのテストであった」と彼は、コロナウィルス発生を乗り切る経験に付いて述べた。 「日々の取引額は下期に増加に転じるという重大な転換があった」と彼は付け加えた。
El-Kuwaiz氏は、CMAはガバナンス、開示、エンフォースメントの規制水準を上げることに注力してCOVID-19の最悪の状態を切り抜けたと述べた。 サウジの資本市場は安定しており、地元国内投資家と国際海外投資家を惹きつけ始めた、と彼は述べた。
ブルームバーグ・サウジアラビア・資本市場フォーラムは、MulkiaインベストメントCEO兼サウジ・インダストリアル・ サービシズ(SISCO)取締役のMuneera al-Dossary氏、JPモルガン中東・北アフリカ投資銀行部門ヘッド兼MENAカンパニー共同代表のKarim Tannir氏を含む、サウジ王国の有力な金融の意思決定者を呼び集めた。 同フォーラムは「ブルームバーグ・デイブレイク」のアンカーYousef Gamal El-Din氏が統轄進行を務めた。