ラマッラー、ヨルダン川西岸地区:金曜にユダヤ人入植者らが占領下のヨルダン川西岸地区のいくつかの村を襲撃し、家や車を破壊して、少なくとも2名を負傷させたとパレスチナ当局者が述べた。この攻撃の前日には、領内においてパレスチナ人武装集団による待ち伏せ銃撃でイスラエル人男性1名が殺害されている。
木曜遅くにヨルダン川西岸地区の入植前哨基地の近くで武装集団に車を銃撃されて殺害された入植者ヤフダ・ディメントマンさんの死が、パレスチナ人居住者とイスラエル人入植者の間にさらなる暴力を引き起こす恐れがある。ディメントマンさんの車の同乗者2名も軽傷を負った。
パレスチナ自治政府で入植者を監視するガッサーン・ダグラス氏によると、金曜早くに入植者のグループが北部の街ナーブルス付近のいくつかの村に入り、車や家を破壊したという。パレスチナ人2名が病院での治療を要した。
パレスチナ人のQaryout村で入植者らが1軒の家に押し入り、地元住人のワーエル・ミクベルさんを拉致しようとしたと、ダグラス氏は伝えた。
後にソーシャルメディアに投稿された写真ではミクベルさんの顔中にアザと腫れが見られ、インターネット上に公開された別の動画と写真では、武装した入植者とパレスチナ人居住者の衝突が見られた。
イスラエルの指導者らは木曜の銃撃を行った加害者たちを見つけ出すと誓い、軍はこの地域に追加部隊を配備した。パレスチナの公式通信社Wafaによると、夜通しの捜索で北部のブルカ村の男性少なくとも3名が捕らえられたという。
軍は金曜にパレスチナ人武装集団の捜索はいまだ継続中だと伝えたが、詳細は明かしていない。
ディメントマンさんの車は、2005年のイスラエルのガザ地区撤退の一環として退去が行われた元入植地ホメシュの前哨基地にあるユダヤ人神学校を出た後に銃撃された。ここ数年、入植者らはこの地に無許可の前哨基地を再建しており、これは違法と見なされながらイスラエル政府によってしばしば容認されるヨルダン川西岸地区の数十の前哨基地のひとつとなっている。
この銃撃について犯行声明を出したグループはないものの、ガザ地区を支配する武装勢力ハマスはこの攻撃を賞賛した。
金曜の朝にホメシュで行われたディメントマンさんの葬儀には数百人が集まり、その後遺体は埋葬のためにエルサレムに運ばれた。
直近の攻撃は、ヨルダン川西岸地区と東エルサレムでイスラエル人とパレスチナ人の間の暴力が増す最中に行われた。今月、超正統派ユダヤ教徒1名がエルサレム旧市街の壁の外でパレスチナ人の攻撃者に刺されて重傷を負った。1週間前にはハマスの民兵が旧市街で発砲し、イスラエル人男性1名を殺害した。どちらの攻撃者もイスラエル軍によって殺害された。
オリーブ収穫期の間、入植者によるパレスチナ人への暴力も同様に増えている。11月中旬に、ユダヤ人入植者らがホメシュを囲む農場でパレスチナ人の農民グループを唐辛子スプレーとこん棒によって襲撃し、4名を負傷させた。
イスラエルは1967年の中東戦争で東エルサレムとヨルダン川西岸地区を手に入れた。この地域には現在70万人以上のユダヤ人入植者が住んでいるが、パレスチナ人は両地域を未来の独立国家の一部として求めている。国際社会の大部分と同様にパレスチナの人々も、入植を非合法で平和を大きく妨げるものと考えている。
AP