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サウジアラビアが技術革新で水不足の課題に対応

スペイン企業のアクシオナは昨年、サウジアラビアでアル・コバールI海水淡水化プラントの建設を完了し、12月26日以降、1日あたり21万立方メートルの飲料水を生産している。(提供写真)
スペイン企業のアクシオナは昨年、サウジアラビアでアル・コバールI海水淡水化プラントの建設を完了し、12月26日以降、1日あたり21万立方メートルの飲料水を生産している。(提供写真)
スペイン企業のアクシオナは昨年、サウジアラビアでアル・コバールI海水淡水化プラントの建設を完了し、12月26日以降、1日あたり21万立方メートルの飲料水を生産している。(提供写真)
スペイン企業のアクシオナは昨年、サウジアラビアでアル・コバールI海水淡水化プラントの建設を完了し、12月26日以降、1日あたり21万立方メートルの飲料水を生産している。(提供写真)
オリバー・ワイマンのエネルギー部門のパートナー、ブルーノ・ソウサ氏。(提供写真)
オリバー・ワイマンのエネルギー部門のパートナー、ブルーノ・ソウサ氏。(提供写真)
アクシオナ社で中東地域の水ソリューション担当責任者を務めるフリオ・デ・ラ・ロサ氏。(提供写真)
アクシオナ社で中東地域の水ソリューション担当責任者を務めるフリオ・デ・ラ・ロサ氏。(提供写真)
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25 Jan 2021 08:01:14 GMT9
25 Jan 2021 08:01:14 GMT9
  • サウジアラビアは1人当たりの水の消費量が米国、カナダに次いで世界第3位

Lojien Ben Gassem 

リヤド:サウジアラビアの国営水道公社(NWC)は今月、サウジアラビアの水生産過程で失われる水の量を減らすために、フランスの公益事業会社と2年間で536万ドルの契約を締結した。生産過程で失われる水は、業界では無収水として知られている。

世界的なコンサルタント会社オリバー・ワイマンが昨年末に発表したレポートでは、水の使用量が上昇している一方で、供給量が減少していることが判明しており、これは前向きな一歩と言える。同社の調査では、世界の人口の25%が水ストレス(水受給のひっ迫した状態)の非常に高い地域に住んでおり、2050年までにはその割合が2倍以上になると推定されている。

「世界的に水資源がますます不足している中、中東地域では各国政府が不足している水資源と真水需要の増加をバランスさせるための新たな戦略を採用するなど、重要な問題に取り組んでいる」と、オリバー・ワイマンのエネルギー部門のパートナー、ブルーノ・ソウサ氏は話した。「このため、中東の一部の国では、海水淡水化処理や水資源の再利用などの選択肢に頼ることになった」と、同氏は付け加えた。

サウジアラビアは1人当たりの水の消費量が米国、カナダに次いで世界第3位となっている。サウジアラビアはビジョン2030プログラムの一環として水の消費を合理化するために一連の対策を実施した。この対策では水の消費量を2021年に24パーセント減らし、次の10年間の終わりまでに最大43パーセント減らすことを目標としている。

サウジアラビア環境農水省は、これらの重要な課題に対処し、水部門を再構築することを主な目的として、国の水部門の動向、政策、法律、業務を統合した包括的な水資源戦略を含む統一的な水部門基準フレームワークを策定した。同省で棚田再生イニシアチブの責任者を務めるイブラヒム・アレフ博士は、アラビア半島の水資源のほとんどは降雨から来ているとアラブニュースに語った。しかしサウジアラビアの降雨量は、特にアラビア半島の中心部では世界の他の場所と比較して非常に少ないために水不足を引き起こしている。

海水淡水化による環境への影響を最小限に抑えるための新技術が長年にわたって開発されてきた。

ブルーノ・ソウサ

アレフ氏は、アラビア半島では一般的に2年、4年、最長で7年の乾季が続くにもかかわらず、サウジアラビアは強い経済に恵まれているため、海水淡水化など、世界の他の場所では珍しいかもしれない多くの解決策に取り組むことができていると指摘した。

オリバー・ワイマンのソウサ氏によると、海水淡水化は主に2つの技術で実現できるという。熱を用いる技術と電気を用いる技術だ。

ソウサ氏はアラブニュースに、熱を用いる技術は水を加熱し、その結果蒸発した純粋な水を集めることで構成されていると語った。「これは非常に大きなエネルギーを消費するプロセスで、水を加熱するために電気と熱エネルギーの両方を必要とする。プロセスの一部として電気がやはり発生し、電力網に投入することができる」

「電気を用いる技術は主に逆浸透法で、水は塩分を除去する膜を強制的に通過する…… この方法もやはり大きなエネルギーを消費するプロセスだが、動作するためにのみ電気を必要とする」とソウサ氏は話した。

「蒸発法はまだ使用されているが、逆浸透法が主流の技術で、主にエネルギーを含めたコストが低く、海水から飲料水への変換率が高いために採用されている」とソウサ氏は付け加えた。ソウサ氏によると、海水淡水化による環境への影響を最小限に抑えるための新技術が長年にわたって開発されてきたという。スペイン企業のアクシオナは昨年、サウジアラビアでアル・コバールI海水淡水化プラントの建設を完了し、12月26日以降、1日あたり21万立方メートルの飲料水を生産し、35万人に水を供給している。これはサウジアラビアの海水淡水化プラントの中でも、能力的に最大級のものだ。

海水淡水化は、サウジアラビアが水不足の問題に対処するために模索している唯一の方法ではない。環境農水省が実施している最大のプログラムの1つは、サウジアラビアの南西部にある棚田の再生だ。

このプロジェクトの目的は、農業用水の利用効率を高め、食糧安全保障、農村開発、戦略上重要な作物の生産性向上に貢献する再生可能な水源に依存することだ。

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