
東京/ソウル:ソフトバンクの1,000億ドルビジョンファンドは、新株発行予定の韓国のEテイラー、クーパンと共にそのポートフォリオに新たなトップ資産を迎える準備を整えており、これによりファンドの巨額な損失から記録的な利益へのトレンド転換が促している。
ロイター通信が今月報じた対象査定額500億ドルにより、この10年間続いてきた企業はティックトックの運営ByteDanceや配車サービスのGrabやDidiを含む資産一覧の中でも、最近米国で上場したフードデリバリーのドアダッシュさえもおそらく上回るだろうと見られている。
ビジョン・ファンドは、クーパンへの出資金37%を27億ドルで築き上げたが、そのほとんどが87億ドルの投資後企業価値だった、と本件に詳しい人物は言った。ファンドは、クーパンがニューヨークで申請した新規株式公開(IPO)の株式を売却するとは見られていないと、この情報が公表されていない為に身分を明かすのを断った同氏は述べた。ソフトバンクグループ株式会社とクーパンはコメント提供を断っている。
査定額500億ドルの達成は、3月の年間損失から立ち直るファンドにとっては朗報となるだろう。今月、ドアダッシュや不動産業売買のOpendoor Technologies Inc.の上場と配車サービスのウーバー・テクノロジーズの株価上昇によって動いた四半期ごとの利益記録が発表された。
ヒットパレード
同ファンドは、この後期スタートアップ企業の急速な成長を促すべく巨額の小切手を切った。ポートフォリオの価格の3分の2は、クーパンを含む10社のアセットに集中している。
その10社にはエヌビディアコーポレーションに売却予定で規制当局の承認待ちとなっているイギリスのチップ設計会社Armの25%が含まれているが、注目を集めてドジを踏むオフィスシェア会社のWeWorkのような企業の出資金は含まれていない。
ファンド最大の資産にはDoorDashの株式22%が含まれており、同社の12月のIPO以降株価は2倍となり、時価総額は650億ドルとなった。
自社調査の結果:ビジョン・ファンドの投資のヒットパレード
ファンドの下に置く前に、ソフトバンクは初め2015年にクーパンに投資し、それによりクーパンを中国のアリババ・グループ・ホールディングの25%等を含む成功した安定的なeコマース企業の一員とさせた。
COVID-19のパンデミックでインドのホテルチェーンOyoのような他のポートフォリオ企業は緊急で現金の温存を強いられる中、Eテイラーは外出禁止令中に急速に成長した。
アナリストはクーパンの先発者としての地位を考慮し、さらに実店舗の小売をただ増加するオンラインのルートに置き換えるだけでなくそれ以上に拡大しているのを見るに、査定額500億ドルは適した金額だと考えている。
同社は直接在庫を取り扱う韓国最大のEテイラーであり、2020年の購入額は約21.7兆ウォン(196.2億ドル)であったとWiseAppの情報が示している。
サムスン証券のアナリスト、パク・ウンギョン氏は、「市場の評価は誇張されていない」と述べた。 「クーパンの市場でのリーダーシップは重要な要素です」
ロイター通信