• 調査によると、人工知能、ロボティック・プロセス・オートメーション、5Gへの投資も増える見込み
• サウジを拠点とするCEOの88%がテクノロジー変革を脅威ではなく機会として捉えている

ディーマ・アル・クデール

ジッダ: サウジアラビアの企業の上級幹部らはデジタル革命を受け入れており、98%が今年クラウド・コンピューティングへの投資を増額させる予定であることが新たな調査で明らかに。

国際的なコンサルティング会社KMPGの「CEO調査2020 (2020 CEO Outlook)」によると、サウジアラビアのCEOにとって、クラウド・コンピューティングがテクノロジー面の最重要課題となっており、人工知能 (AI)、ロボティック・プロセス・オートメーション (RPA)、5Gへの投資も人気となっている。

技術的進歩はセキュリティの問題をもたらす可能性があるが、サウジを拠点とするCEOの88%がテクノロジー変革を脅威ではなく機会として捉えているという。

「各組織が仕事の新しい現実に対応する中で、今年、テクノロジーの導入ペースが加速した。パンデミックがシームレスなデジタル顧客体験の創造を加速し、パンデミック中に新しいデジタル収入源の創出が進んだと、ほとんどのCEOが考えている」とサウジアラビアのKPMGのディスラプション (創造的破壊) 最高責任者 (CDO) を務めるマザール・フセイン氏は述べた。

「一方で、パンデミック中、サイバー攻撃も増加した。その結果、セキュリティに対する認識が向上し、サイバー・セキュリティへの投資が増えた。ほとんどの組織の運営における脆弱性の数がリモートワークにより増えた。従って、企業は、サイバー攻撃予防対策への予算削減を指示する衝動を抑えて、世界的なサイバー犯罪の急増をサイバー防衛を強化し続ける理由として捉える必要がある」とフセイン氏は付け加えた。

同時に、パンデミックによりCEOの世界経済成長への信頼が揺らいだことがKPMGの調査で明らかになった。32%近くのCEOが、2020年の初めに比べて、今後3年間の世界成長の見通しに対する信頼が低下したと述べた。

クラウド・コンピューティングへの投資が優先事項である一方、ドイツのビジネスソフトウェア企業SAPによる1月の調査によると、5分の4以上 (89%) のサウジの公共部門の上級役員がデータ共有が市民とのつながり方を改善したことに同意したが、その多くがそれを実施するためのトレーニングに投資をしていなかった。

回答者の83%がデータ共有が、現在の商品・サービスの革新を推進したと述べたが、パートナーと連携してそれを行ったのはわずか22%だったことが、SAPの調査で明らかになった。トレーニングに関しては、わずか33%が従業員に最適なデータ分析方法を再教育したと回答した。このスキルの欠如が、戦略的変更のイニシアチブを進める障壁となっていると61%が回答した。