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原油価格の高騰で1バレル100ドルを目指す

サウジアラビアのアブカイクにあるサウジアラムコの石油施設にあるブランドの石油タンクの風景。(ロイター/マキシム・シメトフ/ファイル 写真)
サウジアラビアのアブカイクにあるサウジアラムコの石油施設にあるブランドの石油タンクの風景。(ロイター/マキシム・シメトフ/ファイル 写真)
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10 Jun 2021 04:06:43 GMT9
10 Jun 2021 04:06:43 GMT9
  • 年内に需要が急増する可能性もあるとアナリストがアラブニュースに語る

フランク・ケイン

ドバイ:世界の原油価格は水曜日も引き続き急騰し、トレーダーやアナリストは、今年中に2014年以来となる1バレル100ドルを超すという見通しを立てた。

ブレントは3日連続で70ドルを超え、2年ぶりの高値を記録した。1年余り前にはマイナス圏だった米国の標準的なウェスト・テキサス・インターミディエイトも70ドルを超えて上昇した。

トレーダーは年内に原油が100ドルまで上昇するとの見方を強めており、ニューヨークをはじめとする取引拠点では、大量の投機筋が同価格で契約している。

米大手銀行JPモルガンのアナリストで、原油価格に「スーパーサイクル」が到来することを最初に示唆したクリスチャン・マレック氏は、アラブニュースに対し、年末までに1バレル100ドルになる可能性は十分にあると述べた。

「2021年に100ドルに到達するためには、下半期に需要が大幅に増加する必要がありますが、COVID-19ウイルスの第4波が発生しない限り、そのシナリオは間違いなく可能だろう」と述べている。

このレベルの原油を生産するには、COVID以前のレベルである日量1億バレル程度まで需要が急増する必要があるが、マレック氏は、米国、中国、欧州など世界の主要経済国のほとんどで景気回復が加速していることから、その可能性を否定はしなかった。

昨年の春にパンデミックの影響で原油価格が低迷していたときに、将来の原油価格の急騰を予測したマレック氏は、米国の石油産業に対する財務上および規制上の制約、サウジアラビアの指導のもとでのOPEC+の生産量の厳格な管理、および一部のOPEC+加盟国の増産能力への懸念から、石油生産は「窮屈な状態」にあると述べた。

マレック氏は、「サウジアラビア、UAE、イラクにはおそらく余力があるが、他の多くの国には自分たちが考えている程の余力はなさそうです」と述べた。

多くの石油専門家は、パンデミックによる原油価格の変動を背景に投資が大幅に削減されたことに伴う供給リスクを警告している。これは欧米の炭化水素に対する考え方の変化も影響している。

「予備設備への投資が急務。そうしなければ、世界が将来の需要を満たすことはできないでしょう。突然、『需要のピーク』から『供給のピーク』にシナリオに移行する可能性があるのですから、驚くべきことです」とマレック氏は述べた。

一部のアナリストが原油価格の下落を懸念している理由であるイラン産原油の市場への復帰も、大きな脅威にはならないだろうと彼は言う。「実際には、ある段階でイラン産の石油が必要になるでしょう。なぜなら余力がないからです」

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