
政府は15日の閣議で、2021年版観光白書を決定した。新型コロナウイルスの影響で激減した訪日外国人旅行者を段階的に回復させるため、今年度から少人数分散型のパッケージツアーを行う方針を明記。訪日客を30年に6000万人に増やすとする政府目標を堅持し、官民一体で実現に取り組む考えを示した。
20年の訪日客数は前年比87.1%減の412万人。同年に4000万人にする政府目標は達成できなかった。白書では、国内外のコロナ感染状況を見極めながら受け入れに取り組むとし、「訪日客と受け入れ地域の双方にとって安心・安全な旅行環境の整備を目指す」と強調した。
20年の日本人の国内旅行者数は、前年比50%減の延べ2億9341万人。7~12月でみると、住んでいる都道府県内を旅行した人の割合が同7.0ポイント増加したほか、宿泊数が「1泊」の割合も同12.4ポイント増えた。
昨年7月に始まり、同12月から全国一斉停止している観光需要喚起策「Go To トラベル」は、停止までの宿泊者数が少なくとも延べ8781万人に上ったと説明。白書は「今後の感染状況を踏まえて、取り扱いを判断する」とした。
JIJI Press