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PIF出資のルーシッド・モータースが4月にEV300台を納車 今年後半にはAir Pureを発売予定とCEO

アラブニュースのインタビューに応じるルーシッド・モータースのCEO、ピーター・ローリンソン氏。
アラブニュースのインタビューに応じるルーシッド・モータースのCEO、ピーター・ローリンソン氏。
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23 May 2022 08:05:08 GMT9
23 May 2022 08:05:08 GMT9
  • 同社は2025年までに技術を向上させ、コストとエネルギー消費の削減を目指す。

ファハド・アブルジャダイエル

ジェッダ:米国の電気自動車メーカー、ルーシッド・モータースは、2022年第1四半期に360台を納車した。また、先月だけで300台を販売した。

ルーシッド・モータースが昨年生産を開始し、2021年10月に最初の車を納品したことを加味すると、頼もしい結果である。

同社のCEOであるピーター・ローリンソン氏は、「我々は急速に成長しており、アリゾナ工場は2025年までに、年間35万台まで生産数を拡大できます」とアラブニュースに語った。

ルーシッドの車の価格は8万7,000ドルから17万9,000ドルで、今年後半には8万7,000ドルのモデル、Air Pureを発売予定だ。Air Pureは、1回の充電で400マイル以上の走行が可能だ。

「わが社は高級ブランドであり、ハイエンドな製品を手掛けています。しかし市場で入手可能な製品の中でも、非常にコストパフォーマンスに優れています」と付け加えた。

ルーシッドは2025年までに、コストとエネルギー消費の削減のため、技術の向上を目指す。

「EVのネックは車体の価格です。私たちの優れた技術を活かせば、今より少ないバッテリー容量でより遠くまで行ける車を作ることができます。つまり、消費エネルギーが少ないため、車をもっと買いやすく、そして走らせやすくすることができます」とローリンソン氏は言う。

「2025年近くにはミドルサイズの車体も購入できるようになり、その時には現在の価値で5万ドル近くまで価格を下げることができます」とも語った。

アラビアン・サファリへの旅立ち

ルーシッドは2018年にサウジアラビアの公的投資基金(PIF)と提携を結んでおり、これはローリンソン氏いわくルーシッド・モータースのターニングポイントであったという。同社は資本が不足しており、PIFがそれをバックアップした形となった。

「サウジアラビアのビジョン2030と方向性が一致していたのです。これは車だけにとどまらないかもしれません。きっと製造業を支えるサプライチェーンやインフラを整え、経済を活性化させるまでに発展するでしょう」と語った。

EVのスタートアップであるルーシッドは、昨年7月に上場した。ナスダック証券取引所で取引が開始され、45億ドルの新規資本を調達した。

「論理上は、数年で利益を上げることができます。問題は、それを実現したいかどうかです」と、ローリンソン氏はルシードの工場建設調印式で語った。

ローリンソン氏いわく、株主にとって一番価値があるのは、短期間で黒字化してほしいというニーズに応えるよりも、急速に成長を続け、投資家のために株価のリターンを最大化することだという。

ルーシッド・モータースは5月18日、サウジアラビア西部のキングアブドラ・エコノミックシティ(KAEC)に、年間15万台のゼロエミッションEVを生産可能な工場を建設する契約を締結した。

この契約により、ルーシッドは今後15年間で最大34億ドルの融資とインセンティブを受け、サウジアラビアに工場を建設・運営する見通しだ。

サウジアラビアでの生産計画

「アリゾナからKAECにLucid Airのセミノックダウンキットを出荷し、ここサウジアラビアでそのキットを組み立てます」とローリンソン氏は言う。

来年には生産を開始し、2025年には生産体制が完全に整う予定だ。

「さらにできるだけ早く生産台数を増やし、2026年中には年間15万台にします。それが今回建設する工場のキャパシティなのです」と付け加えた。

KAECの工場の役割の一つは、バッテリーパック、モーター、インバーター、トランスミッションを含む全電気パワートレインを自社で製造することだ。

「我々は世界で最も高度なバッテリーパックを作っており、これは周知の事実です」と述べた。

この計画では、サウジアラビアからアリゾナに作業員を派遣し、全工程をサウジアラビアで再現するための研修を行うことになる。

「これは、単に一緒に自動車を製造するという計画ではありません。コア技術が実際に社内で作られるのです」とローリンソン氏は話す。

ルーシッドのほかには、テスラだけが技術を自社開発しており、これがテスラの成功理由だとローリンソン氏は考えている。

「テスラは他社の4〜5年先を行っていると思います。でも我々の技術も見てください。私たちの技術はおそらくテスラより3年先を行っていると思います」と語った。

ローリンソン氏は技術をエネルギー効率で評価している。車のサイズや分野を考慮すると、EVの技術を測る適切な方法は、キロワット時当たりの走行距離だと考えているからだ。

「誰も私たちの足元にも及びません。私たちは他のどのメーカーよりも数年先を行っていると思います」とローリンソン氏は言う。

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