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今年後半の石油生産量設定にむけたOPECプラスの最重要会合 直前の状況と見通し

サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドル アジーズ・ビン・サルマン王子は、昨年の極端な不安定な状況から世界市場がバランスを取り戻そうとしているこのタイミングで、より慎重なアプローチを支持するものと見られている。 (ファイル写真:AFP )
サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドル アジーズ・ビン・サルマン王子は、昨年の極端な不安定な状況から世界市場がバランスを取り戻そうとしているこのタイミングで、より慎重なアプローチを支持するものと見られている。 (ファイル写真:AFP )
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01 Jul 2021 06:07:30 GMT9
01 Jul 2021 06:07:30 GMT9
  • OPECプラスの重要閣僚級会合の結果を待っているため、市場は落ち着いた動き

フランク・ケイン

ドバイ:30日の原油価格は、今年後半の世界の原油市場の基調を定めると見られる主要産油国の重要会合を控え、落ち着いた値動きとなった。

サウジアラビアとロシアが主導するOPECプラス23カ国の大臣たちが何ヶ月にもわたって準備してきた重大な会合が迫っている。会合直前の30日、ブレント原油は75ドル強で取引された。

OPECプラスは1日の閣僚級会合で、世界が新型コロナの流行による不況を脱出し需要が回復することを見込みつつ、生産増についての決定を行う。

石油問題に詳しい、コンサルタント会社カマルエネルギー(Qamar Energy)のロビン・ミルズCEOは、アラブニュースの取材に対し「市場の現況と予測は、確実に供給増へのニーズの高まりを示しています」と語っている。

しかし、サウジアラビアのエネルギー大臣であるアブドル アジーズ・ビン・サルマン王子は、昨年の極端な不安定な状況から世界市場がバランスを取り戻そうとしているタイミングで、新型コロナの新しい変異株が景気回復に影響している国々が出てきていることから、より慎重なアプローチを支持するものと見られている。

事実、アブドル アジーズ王子は先週、米国の投資フォーラムにおいて、景気回復と石油需要の伸びに関する予測の一部は「過度に楽観的」なものかも知れないと語っている。

OPECプラスは、8月の初めに終了する、生産量を3か月間徐々に増加させた取り決めに続いて、今年後半に向けたさまざまなシナリオを検討しているものと見られている。

うち1つの選択肢は、8月に1日当たり約50万バレル生産量を増やすというもので、場合によってはそこから再び3か月の段階的な生産増に発展させていくことになる。

ロシアのOPEC プラス担当、アレクサンドル・ノヴァク副首相もそうしたやや慎重な増産案を支持するものと見られている。また、ロシアの石油関係における同盟国、カザフスタンは、現在の生産レベルを上げたいと述べている。

米国や中国などの大国では強い需要回復が見られる一方で、ヨーロッパの一部の地域は依然として新型コロナによるのロックダウンの影響を受けている。 OPECプラスが供給を大幅に増やし、秋に需要が予想外に減少した場合、石油価格が深刻な影響を受けてしまう可能性があるのだ。

一方、より強気なグループも自信を失ってはいない。米国の投資銀行ゴールドマンサックスは、来年は1バレル100ドルに達する可能性があると予測しているが、8月にたとえ100万バレル生産を増加させても、その予測にほとんど違いはないと述べている。

カマルエネルギーのミルズCEOは、「7月以降に供給を増やすことには各国は同意するはずですが、問題はどれだけ増やすのか、再び3か月間の取り決めを行うのかどうかという点です」と話している。

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