
ジャナ・サルーム
シャザ・アルマスーディ
サラ・アルファイズ
リヤド:サウジアラビアは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックから強い経済的回復を見せている。
サウジの財政赤字は今年上半期、政府が財政規律をさらに強化し、税を中心とした非石油系の収入源を増やしたことにより、大きく縮小した。
2021年上半期の赤字額は、支出をほぼ同水準に抑えながら、前年同期から92%の驚異的減少を見せ、120億サウジリヤルとなった。
世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは、昨年、新型コロナウイルスと記録的な原油安のダブルショックに見舞われた。しかし、原油需要の回復とコロナウイルス規制の緩和が、ここ数ヶ月、経済の回復を後押ししてきた。
原油価格の改善の大部分は、サウジアラビアがロシアやその他の産油国連合と連携し、自主的な減産を行うことで市場のバランスを取ったことによる。
石油収入が増加し、政府の借金が増加する中、アナリストらは現在、今年の赤字額は引き続き減少すると考えている。「今年1年の赤字額は、年の初めに予想していた1410サウジリヤルから、620億サウジリヤルにまで減少すると見込んでいます。これは、市場回復の恩恵を受けた石油収入に支えられています」と、アルラジヒ・キャピタルのリサーチ部門の責任者のマゼン・アル・スダイリ氏がアラブニュースに語った。
政府は昨年、パンデミックの影響から経済を守り、刺激するため、多くの対策を講じてきたが、その結果、第2四半期に赤字が膨れ上がったことが、財務省のデータから明らかになった。今年、経済は世界の成長に合わせてより強い回復の兆しを見せており、海外での石油売上の増加や、国内での非石油系活動の増加につながっている。
上半期の国の総収入は、税収の増加と石油売上の増加に支えられ、39%増の4530億サウジリヤルとなった。原油価格は今年、OPECプラスの合意の下でのサウジの原油生産量の着実な増加と共に、1月の52ドルから7月は75ドルまで上昇した。同データによると、結果として、今年上半期の石油収入は11%増加して2490億サウジリアルとなった。
政府は、2021年上半期の補助金を28%削減して97億サウジリヤルとした他、インフラ支出を19%、自治体サービスを25%削減した。同時に、政府がパンデミックの影響から市民を守る中で、社会保障費は今年も引き続き51%増加した。
格付け会社のフィッチは先月、サウジアラビアの見通しを「ネガティブ」から「安定的」に修正し、原油価格の上昇と、政府が引き続き財政調整に取り組んでいることを理由として挙げた。フィッチはサウジのソブリン格付けを「A」に据え置いた。