
株式会社東芝は、米KKRや米ブラックストーンを含む、少なくとも4社の海外プライベート・エクイティ・ファームと新戦略のアイデアを求めて交渉中であることが、この件に詳しい3人の関係者によって明らかになった。
米ベインキャピタルとカナダの投資会社ブルックフィールドも、スキャンダルに揺れたこの日本の複合企業の戦略委員会から、東芝に対するアイデアをまとめて提出するよう求められているという。
今回のプロセスは、東芝全体または一部の資産に対する買収提案を正式に募るものではなく、投資会社との交渉が将来の正式な提案につながるかどうかは不明。
しかし、東芝が日本政府と結託して外国人投資家に圧力をかけていたことが発覚、6月に会長が株主から解任された状況から、今回の措置は潜在的な入札者との対話を行っていることを示していると見て良いだろう。
会長解任後、多くの事業部門を持ち複数の地域で事業を展開している東芝は、現在の資産の全面的な見直しに着手するとともに、潜在的な戦略的・金融的投資家との対話を行うことを約束した。
東芝はロイターに対し、「発表されている通り、東芝の戦略委員会は幅広い取り組みを遅滞なく検討、議論する」と述べている。
水曜日時点での市場評価額が約190億ドルの東芝は、「10月の新事業計画発表時に成果を発表する予定」としながらも、それ以上のコメントは避けた。
ベイン、ブラックストーン、KKR各社の広報担当者はコメントを控え、ブルックフィールド社はロイターの取材にすぐには応じなかった。
情報提供者は、これらはプライベートな話であるとして身元の開示を避けた。
東芝の綱川智社長は、今月の決算説明会で、「株主だけでなく、金融機関や戦略的投資家との対話を積極的に行っている」と述べた。
また、CVCキャピタル・パートナーズからの200億ドルの買収提案(4月に詳細が不足しているとして却下)を受けて依頼、他のオファーは受けていないが、非公開の入札には前向きであると述べた。
東芝の前CEOは、CVCの買収提案が問題となり、4月に退任した。
ベイン、ブルックフィールド、KKRの3社は、東芝の非公開化のための入札を検討していた。
東芝は当時、株式を公開することで「長期的な価値創造を強化するのに適した資本構造」が得られると考えていると述べていた。
東芝がプライベート・エクイティ・ファンドと話し合ったことで、一部の投資家からは、なぜ東芝が入札のための正式なプロセスを開始しないのか、という疑問の声が上がっている。
6月には、東芝が日本の通商産業省と結託して、昨年の株主総会で投資家が影響力を行使するのを妨害したとする調査結果が発表され、この「日本株式会社」のガバナンスが注目されている。
エスカレーターから下水処理場まで幅広い製品を持つ東芝は、日本では数少ない原子炉メーカーであり、防衛装備品を製造しているため、同社の売却には政府の承認が必要となる。
ロイター通信