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G7が一致団結を示すなか、英国の外交姿勢に注目が集まる

英国・ロンドンで開催されたG7外相会合。2021年5月5日撮影。(ロイター)
英国・ロンドンで開催されたG7外相会合。2021年5月5日撮影。(ロイター)
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07 May 2021 02:05:40 GMT9
07 May 2021 02:05:40 GMT9

英国政府にとって、今週は幸運とグッド・ガバナンス(良い統治)がうまい具合に結びついた週となった。先進7か国(G7)の外務大臣を来月の本会議に先立つ予備会合へと迎え入れたのである。米国が4年ぶりに国際的な信用を回復しようとしているちょうどこのタイミングで、ロックダウンから解放され、EUからの離脱の痛みも同様に過去のものとし、近しい隣国や主要パートナーとの合意点を見い出そうとしている英国政府にとって、これほど最適な舞台はなかったといえる。

ドミニク・ラーブ英外相には、主な狙いが2つあった。1つ目は、こうした同盟関係として、米国との関係を強化することだった。最初の共同記者会見は、両国にとってうまくいったといえる。EU離脱やアイルランド問題によって、張り詰めた雰囲気になるのではないかと考えられていたが、そんな予想も過去のものとなった。ラーブ外相は、アントニー・ブリンケン米国務長官が両国関係について言い表す際の疑いようもない温かさを歓迎したに違いない。同じように、米国務長官が開かれた社会や人権を大々的に支持したことも歓迎しただろう。開かれた社会や人権は、ラーブ氏個人も英国政府もともに重要な課題としていることだからだ。米国は、自国のNATOへの新たなコミットメントを英国が認めたことを見逃さなかっただろう。トランプ時代は、こうした基本的な問題に関しても疑念が抱かれるという悲惨な時代だったが、米国はそうした過去を一掃しようとしているのだから。米国はさらに、英国自体が東に傾いていることも見逃さなかっただろう。米国政府もある程度同様に東に傾いているからである。

英国政府は、ジョー・バイデン大統領の最初の100日を歓迎した。バイデン政権の焦点がほとんど国内の混乱に当てられていたのは理解できるが、経験豊富な外交政策チームは、気候変動から同盟関係に至る米国の国際関与のメッセージが確実に伝わるよう努めてきた。英国は、アフガニスタンについて何らかの質問をするものと思われる。というのも、米国が決着のついていないことを数多く残したまま撤退を決定したことについて、世界中が支持したわけではないからだ。英国では、イランとの交渉についても国内で強い関心が寄せられている。もともとイランの核問題に大変打ち込んでいたこともあり、何らかの形で核取引を再開したいという決意を米国と共有している。英国は、イランとの再交渉に伴うあらゆる問題について — 地域の近隣諸国や同盟国が懸念していることについても — 明確に認識してはいるものの、英国にとって課題として重要なのは、大規模な対立に発展するというリスクを阻止することなのだ。英国では二重国籍者の人質問題についても政治的な議論が高まっており、英国政府は既存の囚人の釈放を望む一方で、人質戦術全体をより注目されるものにしたいと考えている。

英外務省は、ティム・レンダーキング氏がイエメン特使として任命されたことを歓迎し、紛争が解決すれば地域に多くの機会がもたらされることになり、特にサウジアラビアとイラン間に暫定的な接触を促す何らかの可能性が生まれる、という点で米国と同意した。また、バイデン大統領のチームがアブラハム合意についてどう判断しているのかを見る良い機会ともなるだろう。敵対勢力に対する防衛的な同盟としてではなく、地域にさらなる好機をもたらす手段として見ているのかどうかを見る機会だ。さらに、ドナルド・トランプ氏のイスラエルへの無条件の支持が、誰からも問題視されないまま安全保障上のコミットメントへと変化したのか、そしてただそれは、最近のカーネギー財団の論文が論じたように、入植地や権利問題に関してはより断固とした態度をもってのことなのか、ということを見るのにも良い機会となる。

ラーブ外相の2つ目の狙いは、世界がコロナ後の混乱状況という現実に直面し、11月にグラスゴーで開催されるCOP26気候サミットに向かうなか、英国がG7において中心的な役割を果たしていることを強調することだった。パンデミックから問題なく脱出したいと思ったら、それは世界中の最貧層の人々が経験してきた現実によって調整されるべきである。ワクチン・ナショナリズムに必要なのは、現在のインドだけでなく、明日どうなるか分からない国々にも対処する方法だ。英国は、世界健康安全保障と、口先だけで繰り返されることも多い「全ての人が安全でなければ、誰もが安全ではない」という大志が、ともに行動に移されていることを示す証拠を求めるだろうが、開発そのものにさらにもっと力を入れるようプレッシャーをかけられるかもしれない。

英国政府は、「全ての人が安全でなければ、誰もが安全ではない」という大志が行動に移されていることを示す証拠を求めるだろう。

アリステア・バート

しかしながら、最大の勝利は、世界が待ちに待っていた、こうした対面式の会議によって、国際秩序を崩壊しようと目論む人々の野心はへこんでしまうしかない、という事実から得られることになる。過去4年間、世界は危険ともいえるほど崩壊に近づいたこともあるのだ。自由民主主義に対する脅威としての権威主義に対抗する共同戦線は、貿易、権利、メディアの開放性を共に支持する国が負ける方に賭けるのは浅墓なことだから、協力という手段を選ぶ方がいいようだ、という感覚を育むようにすべきである。ロシアや中国に対しては共通のアプローチが必要となるから、G7に東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、韓国、南アフリカがゲストとして加わったことでその点が主張されたことになるし、英国の新たな世界的野心も反映されることになる。

ミャンマーのクーデターに世界の関心を集めることで、同国の民主主義に対する冒涜への反発という意味では緊急度が高まるが、実際にはどんな結果になるのだろうか。ただ、英国がこの問題を取り上げたことは歓迎すべきことだといえる。分断された世界においては残虐な抑圧が勝つのも仕方ないという諦め感が強まるなか、そんな諦め感に挑戦するものだからである。

国際秩序が再び一つにまとまることと、それが世界のさまざまな危機に良い影響を及ぼすこととは、全く別のことである。最近と比較すると、今週は多くの点で一歩前進だといえるし、英国政府もその反応を熱心に測ろうとすることであろう。

  • アリステア・バートは、元英国会議員で、2010年から2013年までは政務次官、2017年から2019年までは中東担当大臣と、外務・英連邦省で2度にわたり大臣職を務めた。ツイッター:@AlistairBurtUK
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