



マイケル・グラッキン、オーウェン・ベネット、サラ・グラブ
ロンドン:サウジアラビアの国防費は、今後10年間、購入と研究開発に重点を置き、現地の軍事産業がサウジアラビア人に約10万人の雇用を創出することを目指していると、サウジアラビアの軍事産業総局 (GAMI)の局長が発表した。
ロンドンで開催された「防衛・安全保障装備品国際展示会(Defense and Security Equipment International/DSEI)」の会場で独占インタビューに応じたアハメド・ビン・アブドゥルアジーズ・アル・オハリ局長は、国内の軍事費の将来像を示し、研究開発部門への投資の重要性について語った。
アル・オハリ氏は、2030年までにサウジアラビアの国防費50%を国内で生産するという目標を達成することは「困難ではあるものの、実現可能である」と認め、国内のサプライチェーンの改善に取り組んできた成果がすぐに現れるだろうと主張した。
アル・オハリ氏はこのように続けた。「我々は4年足らずで、4%以下だった国内調達率を2020年には8%以上に倍増させました。」
また、「認可の数や認可申請を見ると、地元企業の熱意が伝わってきて、頼もしい限りです」と加え、「2030年までにサウジアラビアの国防費50%を国内で調達するという目標を達成することは、困難ではあるものの、実現可能でしょう」と続けた。
サウジアラビアは防衛産業に多額の投資を行い、輸入軍需品への依存度を下げるとともに、国内でより付加価値の高い仕事を増やすことを目指している。
GAMIのデータによると、サウジアラビアの軍事部門の免許を受けた企業の数は、今年上半期に急増した。
GAMIは、認可企業は41%増加し、合計99社となり、そのうちの85%が国内企業となっていることを報告した。認可が付与された半数以上 (55%) は営業会社で、軍事サービスプロバイダーが24%、製品サプライヤーがその残りを占めている。
サウジアラビア人のスキルアップ
アル・オハリ氏は、国防装備品の国内生産50%の目標を達成するために改善が必要な分野のひとつとして、国内の労働力のスキルアップを挙げている。
アル・オハリ氏は、「防衛産業は2030年までに約10万の雇用を創出すると予想されており、そのうち4万の雇用は直接創出されることになるでしょう」と語り、「私たちの戦略の成功は、持続可能な産業を確保できるかどうかに大きく依存しています。」
「持続可能性を確保するためには、研究所、大学、学術機関、公的機関、民間企業など、すべての関係機関が一丸となって健全なエコシステムを形成する必要があります」と語った。
さらにアル・オハリ氏は、「エンジニアリングや熟練した職人技などの分野において、地域のスキルギャップを解消するために、当局は学術機関とのパートナーシップを確立するという展望を抱いています」と述べた。
研究開発費
GAMIの現在の計画によると、2030年までに研究開発費が軍需支出の4%を占めることになってるが、サウジアラビアが「世界有数の防衛プレーヤー」としての地位を維持するためには、この数字が大きくなることもあり得ると、アル・オハリ氏は見ている。
アル・オハリ氏「研究開発の最も重要な点は、国の支出を効率化することです」と述べ、「私たちは、より効率的な支出ができるように研究開発に資金と資源を投資しています」と語った。
また、アル・オハリ氏はこのように加えた。「力強い研究開発のエコシステムを強化し、教育水準の高い若年人口を活用することにより、サウジアラビアは海外に供給できる国となるでしょう。」
外国人投資家
国防費の50%をサウジアラビア国内で賄いたいと考えているアル・オハリ氏は、他国の政府と協力することがGAMIの目標達成につながると明言している。
先月、GAMIは数多くの軍事プロジェクトから恩恵を受ける企業を国内外から招くとともに、投資家が国内軍事産業にアクセスするためのデジタルプラットフォームを立ち上げた。
GAMIは軍事産業の6つの分野で74件の投資機会を特定した。
さらにGAMIは現地の産業プロジェクトと、当局の許可又は認可を受けた投資家を結びつける「軍需産業マーケットプレイス(MIM)」と呼ばれるデジタルプラットフォームを立ち上げた。
ジョイントベンチャーによる支出がどの程度になるのか「正確な金額」は言えないとしたものの、同氏は次のように述べた。「サウジアラビアは、戦略的パートナーシップやジョイントベンチャーの設立に前向きです。より重要なのは、適切な技術を獲得することです。」
「外国企業は投資先を100%所有できるようになり、サウジアラビアの国内企業と同等の権利、義務、責任を持って取り扱われるようになります。」